オリンパス:定時株主総会の決議取り消しを求める訴訟が提起される

2013年9月14日 13:42

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記事提供元:さくらフィナンシャルニュース

【9月14日、さくらフィナンシャルニュース=東京】オリンパス(東:7733)に対して、同社の個人投資家が今年6月26日に開催された株主総会での決議に対する取り消しを求める訴訟を13日に提起していたことが、さくらフィナンシャルニュースの取材で14日分かった。同社を巡っては、英国の医療機器子会社「ジャイラス」 関連の不正経理について、現地捜査機関の重大不正捜査局(SFO)から今月起訴されている。

 さくらフィナンシャルニュースが入手した訴状によれば、木本泰行、笹宏行、藤塚英明、竹内康雄、林繁雄、後藤卓也、蛭田史郎、藤田純考、西川元啓、今井光、藤井清考、鵜瀞惠子、吉田憲一郎の13名を取締役に選任する旨の決議を取り消すことを求めているほか、取締役に対する報酬として株式報酬型ストックオプション(新株予約権)を付与する旨の決議を取り消し、株式の大量取得行為に関する対応策(買収防衛策)を更新する旨の決議を取り消すことを求めている。

 同社が2008年に買収したジャイラス社に関連して、買収時に計上したのれん代に関する減損処理を適切に行っていないほか、ジャイラス買収時にジャイラス社が従前計上していたのれん代を無形固定資産のその他に計上する処理が適切でないことについて株主が説明を求めた際に、担当の取締役が説明義務を果たさなかったことが、主な取消事由として主張されている。

 なお同社は、ジャイラスを買収した際に、Olympus UK Acquisition Limitedがジャイラス社を買収した形を取って、ジャイラス社の従前計上していたのれん代を同社ののれん代として計上せずに、代わりにその他無形固定資産 4101万英ポンド(928.2億円)として、研究開発資産 6358万英ポンド(143.9億円)、顧客関連資産 29171万千英ポンド(660.2億円)、商号/商標 5484万英ポンド(124.1億円)(1英ポンド=226.32円で計算)を計上したと主張している。

 また同社に対しては、去年4月20日の株主総会の決議を取り消すことを求める訴訟(東京地裁平成24年(ワ)第20534号、担当裁判官は大竹昭彦(裁判長)、目黒大輔、中嶋謙英の3名)が提起されており、現在東京地裁民事8部(商事部)で審議がされている。【了】

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