NYの視点:バーナンキ米FRB議長の発言はノーゲームチェンジャー

2013年7月12日 07:04

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記事提供元:フィスコ


*07:04JST NYの視点:バーナンキ米FRB議長の発言はノーゲームチェンジャー

バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長が全米経済研究所(NBER)主催の講演で市場に送ったメッセージは方針の大幅な転換を示すものではないとの見方が多い。バーナンキ議長は、5月末の議会証言や6月19日の米連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見で提示した資産購入の出口戦略のロードマップを受けた市場の過剰反応を沈静化するために再度、1)政策の行方は引き続き指標次第であること、2)速やかに金利を引き上げるつもりはない、方針を市場に理解させる努力をしただけ。方針の変更を示唆したものではない。バーナンキ議長にしろダドリーNY連銀総裁にしろ同様の政策を何度も繰り返しているが、今後の金融政策に神経質になっている市場では乱高下が繰り返されている。

バーナンキ議長は、市場参加者の一部が2014年の利上げを見込み始めたことがFRBの意にそわなかったためこれを正す必要があったと見られている。FRBが年末にかけて資産購入の縮小を少しづづ行い、2014年半ばに終了し、その間、低金利を維持するとの方針に変わりはないようだ。同時に、9月の会合での資産購入縮小観測が大きく後退したわけでもない。

多くのアナリストは、バーナンキ議長の発言前の見通しをそのまま維持しているようだ。米ウォールストリートジャーナルのFEDウォッチャー、ジョン・ヒルゼンラス氏は引き続き9月の資産購入縮小を予想している。議長が5月の証言で言及した文言「FRBは今後数会合でプログラムを縮小することができる」を引用、そうなると「9月会合が都合が良い」との見方。JPモルガンのアナリストも「ボストンでの議長の発言は金利に関してハト派な見通しを示したものの、資産購入に関しては比較的速やかに縮小に踏み切るとの概念を変えるような発言ではなかった」と、9月の資産購入縮小見通しを維持している。

英エコノミスト誌のFEDウォッチャー、グレッグイップ氏は、上昇してはならない市場の短期金利が上昇したことを受けたバーナンキ議長がトーンを変えただけとの見方で、やはり9月の資産購入縮小を予想している。5月の証言以降、今回の発言で目だったことといえば、「失業率が6.5%をつけたあともゼロ金利政策を続ける可能性を示唆したこと」と指摘した。一方で、9月の資産購入縮小は決定事項ではないとの見方もある。8月2日に発表予定の7月米雇用統計次第で、もし、7月の雇用統計で20万件前後の雇用増加が示された場合には9月会合での資産縮小は避けられなくなる。

次の焦点は、来週17-18日に予定されている米上下院で行われる議長の半期に一度の議会証言となる。《KO》

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