NYの視点:中国政府の信用引き締め策による予期せぬ悪影響が脅威に

2013年6月25日 07:07

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記事提供元:フィスコ


*07:07JST NYの視点:中国政府の信用引き締め策による予期せぬ悪影響が脅威に

ここ2週間、中国の短期金融市場が大荒れとなった。先週20日には上海銀行間取引金利(SHIBOR)の翌日物は13.44%まで上昇。この水準では中国人民銀行が流動性を供給したため、上昇はいったん止まった。ただ、通常の1-2%水準に比べてまだ高い水準にある。シャドウバンキングにおける金利(質屋など公式な統計には出ない手法で借金をした場合の金利)と公式な銀行間の貸し出し金利との差が通常の1-1.5%から0.4%まで縮小したことも、中国の金融が逼迫している証拠となる。不動産価格の急騰などを受けて、中国人民銀行が投機的融資の抑制する方針を維持することを表明。短期金融市場の逼迫が当面続く可能性がある。これを嫌気して中国の株式相場は下落。上海総合指数は24日、昨年12月以来の安値を更新した。

一部ではここのところの信用逼迫が今後6カ月の間に金融システムの破壊的な障害に繋がると懸念する声も高い。市場で定評のあるゴールドマンサックス社も流動性逼迫が成長を損なっているとの見方を示し、同国の2013年国内総生産(GDP)見通しを当初の7.7%から7.4%へ、2014年度を8.4%から7.8%へそれぞれ下方修正した。中国政府の正式な成長率目標は7.5%。

中国の住宅市場問題は、米国の住宅市場がサブプライム問題をきっかけにバッドローンを抱えた銀行の危機に発展した時と類似していることが懸念されている。一方で中国の金融市場が米国のリーマンショックのような状況には陥る可能性は少ないと主張する投資家もいる。フランクリン・テンプルトンの社長でもありBRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)ファンドのファンドマネージャでもあるマーク・モビアス氏は「確かに状況は類似しており、多くの融資がバッドローンになることも間違いない。しかし、中国の銀行は国営であり、政府が銀行の破綻を容認することはなく、米国のベアスターンズ、リーマンブラザーズの破綻のような状況には陥らない」と説明した。

インターナショナル・ストラテジー・アンド・インベストメント(ISI)グループの中国調査部門の責任者、ドナルド・ストラスハイム氏も顧客向けレポートの中で、「この状況は中国人民銀行が中国の期待を解消させるために実施している政策により生じた結果。従って、当局が選択すれば、いつでも流動性を市場に供給することができ、米国のリーマンショックのような状況には陥らない」と述べている。

米格付け会社ムーディーズも声明を発表し、「中国の信用の拡大を抑制する動きは用意周到」、「最近の中国当局の動きは格付けにプラスに働く」と、最近の中国政府の対応を評価している。ただ、同時に、手段が中小規模の銀行のリスクを生じさせる可能性を指摘。市場関係者は中国政府の信用引き締め政策により予期せぬ悪影響がでることを恐れている。危機が生じることを中国政府が望まないことも確かだ。《KO》

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