【株式評論家の視点】東レは今期最高利益更新へ、炭素繊維の展開力を見直す

2013年5月23日 09:25

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

<銘柄の見所>

  東レ <3402> の上昇相場が本格化の兆しを強めてきた。上げ相場に勢いが付き始めたのは5月に入ってから。今2014年3月期は史上最高利益の確保が見込まれており、株価もこれまでの出遅れを一気に払う軽快な足取りが見られそう。

  前2013年3月期は営業利益834億円と、前々期比22%の減益に見舞われた。ライフサイエンス部門は増益となったものの、情報通信材料・機器、プラスチック・ケミカル、炭素繊維複合材料など他の主要各部門は販売価格の下落と数量減で悪化し、全体で大幅な減益を余儀なくされた。ここをボトムに今2014年3月期の営業利益は1200億円と、前期比43%の増益が見込まれている。これまでのピーク利益2012年3月期の1077億円を上回ることになる。

  「ユニクロ」を運営するファーストリテイリング <9983> など大手SPA(製造小売業)との協業による縫製品ビジネスが好調で繊維部門の売り上げが伸びている。東南アジアの自動車メーカー向けにエンジニアリングプラスチックが回復感を強め、スマートフォン・タブレットPC市場の拡大を追い風に、タッチパネル用フィルムも高い伸びが見込まれる。

  そうした中、期待が大きいのが炭素繊維複合材料。ボーイングのB787は2013年に入って飛行中にトラブルが発生し、一時運航を停止したが、運航を再開、今後はボーイング社の生産ペースが徐々に高まり、東レからの出荷も増加に向かいそう。一般産業用途では、シェールガス革命により米国では圧縮天然ガス(CNG)タンクの需要が急激に増加し、この分野でも東レは高いシェアを持っている。

  さらにえし独ダイムラー社と自動車部品用複合材料の生産・販売を行なう合弁会社を設立するなど、用途拡大に向けた布石に余念がない。軽量化を最大の目的とした自動車分野では、鋼材の数倍に達する価格の引き下げが最大の課題ではあるが、自動車で本格的な炭素繊維の採用が始まれば、既存分野を大きく上回る規模の需要を生むことになる。(株式評論家・隆盛)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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