QE縮小は簡単なことではない/Miniトピック

2013年5月22日 10:28

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記事提供元:フィスコ

[Miniトピック]

 米FRBが量的緩和策を長期間継続した場合、様々な問題が生じることは以前から存在していた。量的緩和策を縮小または解除した場合、長期金利の上昇につながるとの見方はその中のひとつだが、米国の債務上限規模が段階的に引き上げられていることから、金利上昇の影響を軽視することはできない。

 米財務省は20日、今年2月以降に連邦債務が3060億ドル増加したと発表した。5月17日時点で連邦債務は16兆7000億ドル。債務上限にただちに到達することはないが、単純計算では1%の金利上昇で政府の利払い額は1600億ドル以上増える。経済に与える影響を考えると債務削減だけを推進することは難しいが、放置することもできない。

 量的緩和策の早期縮小への思惑はあるが、政府債務の段階的な削減の見通しは暗いままだ。このような状況下で米FRBが国債買取額を減らすことは相当な覚悟が必要かもしれない。

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