【アナリストの眼】円安進行して決算に対する期待感が優勢、強含みを想定

2013年4月21日 17:44

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

<相場展望>(「4月22日~26日」

  来週の株式市場は強含みの展開を想定する。米国株式市場の動向など海外要因にやや不透明感があるが、為替が1ドル=100円台の円安水準を窺う可能性が高いうえに、本格化する決算発表に対する期待感が優勢になりそうだ。週前半に一旦は日経平均株価が年初来高値を更新する可能性が高いだろう。

  18日~19日に開催されたG20財務相・中央銀行総裁会議では、共同声明で通貨の競争的切り下げの回避を確認し、長期間の金融緩和から生じる負の副作用に留意するとしたものの、日本の金融緩和は「デフレを止め、内需を支える意図」と明記され、日銀の「質・量ともに異次元の金融緩和策」が国際的に理解を得られた形となった。19日の米国市場では1ドル=99円台半ばまで円が下落しており、この共同声明を受けて来週は1ドル=100円台の円安水準を窺う可能性が高いだろう。26日に日銀金融政策決定会合が予定されているが、今回は追加緩和の可能性が小さいため特に材料視されない模様だ。ただし、展望リポートで物価見通しが上方修正されれば、ドル高・円安要因という見方が優勢だ。

  また20日には、TPP(環太平洋経済連携協定)交渉に参加している11カ国全てが日本の交渉参加に合意し、日本は7月下旬から交渉に合流できる見通しとなった。アベノミクス第3の矢である「民間投資を喚起する成長戦略」や規制改革も徐々に具体化している。こうした動きも支援材料となるだろう。

  そして週後半には主要企業の3月期決算発表が本格化する。事前の観測報道なども材料視されて、今期(14年3月期)業績見通しに対する期待感が高まるだろう。ただし、すでに今期業績への期待感で株価が過熱感を強めている銘柄も少なくない。一方で主要企業は、今期見通しについて保守的な数値を公表する可能性が高いだろう。決算発表時期になると恒例の動きだが、決算発表前に人気化していれば、材料出尽くしを口実にする仕掛け的な動きに注意が必要だろう。物色的には業績面での個別物色に加えて、成長戦略関連のテーマ物色が続きそうだ。出遅れ銘柄にも注目したい。

  注目スケジュールとしては22日の米3月シカゴ連銀全米活動指数、23日の中国4月製造業PMI速報値(HSBC)、ユーロ圏4月総合・製造業・サービス部門PMI速報値、米2月住宅価格指数、米3月新築一戸建て住宅販売、米4月製造業PMI速報値(マークイット)、24日の独IFO業況指数、米3月耐久財受注、26日の日本3月全国・4月東京都区部消費者物価指数、日銀金融政策決定会合と展望リポート、米第1四半期GDP速報値などがあるだろう。その後は4月30日~5月1日の米FOMC、5月2日のECB理事会、5月3日の米4月雇用統計などが控えている(本紙シニアアナリスト・水田雅展)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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