富士フイルム、大型液晶テレビ向け「超広幅フジタック」新工場を稼働開始

2013年1月28日 18:02

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 富士フイルムは28日、大型液晶テレビに使用される「超広幅フジタック」を生産する富士フイルム九州(熊本県菊池郡)の第4工場第8ラインを1月23日より稼働させたと発表した。

 第8ラインでは、「超広幅フジタック」の中でも大型液晶テレビで最も多く採用されているVAモードの液晶パネルの視野角拡大やコントラスト向上に寄与する「VA用フィルム」を生産する。また、同第7ラインも今年3月に稼働を開始する。第7ラインでは、IPSモードの液晶パネルにおいて斜め方向から画面を見た際の色味変化を抑える機能を持つ「IPS用フィルム」や、偏光板保護フィルムとしてあらゆるモードの液晶パネルに広く使用されている「プレーンタック」を生産する。なお、投資額は、第7ライン(180億円)、第8ライン(150億円)あわせて約330億円。

 また、第4工場は、生産工程でのエネルギーの効率活用を追求し、新たに増設した天然ガスコージェネレーション設備による自家発電の電力で稼働する最先端の工場。特に、第8ラインでは生産するフィルムの超広幅化、ラインのスピードアップとともに、生産工程で発生する蒸気・温水を徹底して再利用するなどの省エネルギー対策を行うことで、単位面積あたりのエネルギー使用量を従来の半分にまで減らす。

 また、富士フイルムでは、神奈川工場(フラットパネルディスプレイ材料生産部)足柄サイトにある1ラインを中小型ディスプレイ向け製品開発および生産のための専用ラインとし、1月より25μmのフジタックの量産を開始した。富士フイルムオプトマテリアルズ(静岡県榛原郡)においても新たに中小型ディスプレイ向け製品の開発および生産体制を整え、薄型のIPS用フィルムなど需要が急拡大するタブレットPCやスマートフォン向けの薄型フィルムの新製品開発および生産を強化していく。

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