関連記事
【話題】日経平均の週足3本連続・下ヒゲ足が物語ること
■短期的には上値余地、しかし買い戻し一巡後は本格調整も
日経平均の週足チャートで、長い下ヒゲ足が3本連続して出現し注目を集めている。1本出ることはあっても、3本も連続で出ることは珍しい。
「下ヒゲ足」とは、たとえば、Aという銘柄の株価で、その週の安値が450円、終値500円だったとすると、「終値500円」-「安値450円」=50円の50円分が下ヒゲとなる。もちろん、反対の上ヒゲ足の場合もある。週足チャートだけでなく、日足チャートでも出現する。いずれにしても、下ヒゲ、上ヒゲが出る場合の相場は強弱感が対立し転機となることが多いとされる。
最近の典型的な下ヒゲ足は、2011年3月の東日本大震災のときの日経平均週足がある。安値は8227円まで下げ、週末(3月18日)は9206円で引けた。実に約980円の長い下ヒゲとなった。その後、日経平均は切り返し同年7月には1万0207円まで買われている。
今回の下ヒゲは2011年3月のときほど大きいものではないものの、1本目が約403円、2本目約481円、そして前週の3本目が約485円といずれも400円を超える下ヒゲ足となっている。
元、中堅証券の株式部長氏に聞くと、「下ヒゲ足は別名、首吊り足ともいって基本的にはあまり喜ばれるチャートではない。東日本大震災のようなびっくりするような出来事によって下げる場合が多い。短期的には、驚いて多くのの人が処分売りするため売りが一巡すれば底打ちとなるものの、いずれ下ヒゲでつけた安値水準を下回るケースは多い。東日本大震災のときの安値を、その後、日経平均をはじめ多くの銘柄で下回っている」ということだ。
今回のケースで、こうしたことを当てはめてみると、「アベノミクスへの期待と不安」、「本当にデフレ克服は成るのか」といった強弱感の現れといえそうだ。とくに、為替についても、「景気浮上にはいっそうの円安が必要。これ以上の円安は輸入物価上昇となって生活者に圧迫となる」という対立にもなっている。
3本の下ヒゲ足の水準は、いずれも1万0400円前後。前出の元株式部長氏の、「下ヒゲ水準をいずれ下回る」ということに当てはめるなら、数ヶ月先には日経平均は1万円割れも否定はできない。その時は、どういうときだろうかと思えば、脱デフレが進まず、失業も改善されず、生活物資だけが値上りし、企業業績も期待したほど向上しない、というときではなかろうか。
短期的には下ヒゲ足が3本も出たことから相場は下げることより、もう少し上値が見込める可能性がある。とくに、1ドル・100円へ近づくような円安となれば、空売りの買戻しで日経平均は1万1000円を突破し1万1500円もあるだろう。しかし、それは同時に中期的にみれば本格調整の入り口となる可能性も含んでいるのではなかろうか。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
【関連記事・情報】
・【狙い場・買い場】決算発表一番乗り「あみやき亭」は業績相場展開でも一番槍(2013/01/24)
・【編集長の視点】安川電は値下り率1位、3Q業績減益転換で後続の決算発表に暗雲(2013/01/24)
・急騰銘柄を徹底予想する日刊株式投資情報新聞(メルマガ無料)好評!会員が急増中(2012/07/20)
・プロの記者が急騰銘柄を徹底予想!日刊株式投資情報新聞(無料)メルマガ登録受付中!(2012/07/20)
※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。
スポンサードリンク
