東芝、米GEと火力発電分野で戦略的提携 合弁会社設立へ

2013年1月24日 12:35

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 東芝と米ゼネラル・エレクトリック・カンパニー(GE)は24日、コンバインドサイクル発電システム分野での戦略的提携関係の構築に関する覚書を締結し、これまで協力関係を結んできた日本・アジア地域にとどまらず、グローバル市場で販売協力を行っていくことに合意したと発表した。これを受け両社は、コンバインドサイクルの販売戦略の立案、次世代コンバインドサイクルや蒸気タービン発電機に関する技術検討を行う合弁会社設立のための協議を開始する。

 シェールガスへの注目が高まる米国や東日本大震災以降の国内市場、及び経済成長の著しい新興国市場などを中心に火力発電システムの需要が高まり、特に、従来型の火力発電システムに比べエネルギー効率に優れ、CO2排出量の少ないコンバインドサイクルの需要が拡大している。このような中、GEは世界最新鋭のガスタービンを製品ラインナップとして保有し、GEと東芝は最新鋭高効率蒸気タービン発電機などのコンバインドサイクルの中核機器を有している。加えて、東芝はプラント補機を含めた性能最適化、起動特性に優れた運転制御技術など、トータルエンジニアリング力にも強みを持っている。今回の提携関係構築は、これら両社の強みによる補完関係・シナジー効果の創出により、グローバルにコンバインドサイクル分野での事業展開を図ることを目的としたもの。

 東芝とGEは、1982年からコンバインドサイクル分野で協力関係にあり、日本国内及びアジア地域においてGEのガスタービンと東芝の蒸気タービン発電機を組み合わせたコンバインドサイクルの販売活動を展開している。

 GEが周波数60Hz(ヘルツ)の地域向けに開発した新型ガスタービン「7F7」と東芝製最新鋭蒸気タービン・発電機を用いて、昨年東芝は主契約者としてプラント熱効率で世界最高効率の62%(低位発熱量ベース)を実現した発電システムを中部電力の西名古屋火力発電所向けに受注している。今回の提携関係構築により、両社の連携をさらに強化し、高効率なコンバインドサイクルをグローバルに提案していくことで両社の事業拡大を図っていく。

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