三宅一生や川久保玲にも影響を与えたテキスタイルプランナーの大規模個展「新井淳一の布 伝統と創生」

2012年10月18日 16:25

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記事提供元:ファッションプレス


2013年1月12日(土)~3月24日(日)の期間、「新井淳一の布 伝統と創生」が東京オペラシティ アートギャラリーで開催される。新井淳一の60年に及ぶ仕事の全貌を紹介する大規模な個展だ。


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新井は織物の町、群馬県桐生市に生まれた。高校を卒業し、家業の織物業に従事する中で、伝統的な布作りとともに、早くから新しい染織に加工を施した布の創作をスタート。新井は自らをテキスタイルプランナーと称している。



その仕事の中で、長い歴史の中で受け継がれてきた民族の手仕事への敬意を表しながら、過去と未来、産業とアート、手わざとテクノロジーといった異なる要素が一つに融合されてきた。国内外の素材メーカーや織物業者、加工業者との連携のもと、糸の開発、染色、織、そして加工を通じて布の多彩なテクスチャーを生み出した新井。ごぼう状のフリンジが織り込まれた量感あるフェルト、伸縮性のある複雑なジャカード織物、裏表でパターンが異なる四重組織の織物など、布作りの既成の枠にとらわれない自由な発想は、1970~80年代、素材の探求を進める三宅一生や川久保玲(コム デ ギャルソン)ら気鋭の日本人デザイナーを魅了し、彼らを世界へ送り出す原動力にもなった。



展示構成はパリを拠点とする建築家ユニット「Dorell.Ghotmeh.Tane / Architects」の田根剛が担当。第1室で多様な技法による布約30点を展示しながら、素材を探求し続けてきた新井の先鋭的な発想を紹介する。イッセイ ミヤケとのコラボレーションによる布も展示される。第2室では最新作を含めた布約30点を展示、新井の布を体感できる。また、展示室を出たコリドールでは、新井の創造にインスピレーションを与えてきた民族の仕事や、新井自身が世界各地で撮影した写真、新井自身の言葉なども、映像と音で紹介される。


※本記事はファッションプレスニュースから配信されたものです。ファッションプレスでは、ブランド、デザイナー情報、歴史などファッション業界の情報をお届けしています。

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