【アナリストの眼】業績に安心感の三菱重工、発電&防衛関連で株価トレンド好転確認

2012年9月28日 09:55

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

【今、この銘柄】

  三菱重工業 <7011> に注目したい。発電関連や防衛関連などテーマ性が豊富であり、ハイテク関連株や輸出関連株に比べて業績面の安心感があり、株価もいち早く出直り歩調となっている。

  民主党政権の新エネルギー政策を巡る矛盾や迷走はさておき、現実的に原発の早期の再稼働が見込めない状況下で、電力各社はガス火力発電設備の増強を急いでいる。このため大型ガスタービンなど発電設備関連の需要は高水準に推移するだろう。

  また26日投開票の自民党総裁選では、タカ派とされる安倍晋三元首相が自民党第25代総裁に選出され、27日には同じくタカ派とされる石破茂前政調会長が自民党幹事長に起用されることが決まった。安倍晋三新総裁は総裁選でも離島防衛などを主張している。日中間の緊張の高まりを受けて日本の防衛論議がマスコミを賑わせていることもあり、防衛関連として注目される可能性もあるだろう。

  業績面で見ると、今期(13年3月期)連結業績は、造船などが低調だが、大型ガスタービンなどの原動機部門や、航空・宇宙・防衛関連が牽引する形で増収増益の見込みである。開発中の旅客機「MRJ」の受注も好調な模様である。中国リスクが警戒される自動車関連などと比べて、業績面での安心感は強いだろう。

  株価の動きを見ると、9月6日に309円まで調整する場面があったが、反発して足元では340円~350円近辺に戻している。25日には、8月20日の取引時間中の戻り高値349円に並び、終値ベースでは戻り高値の348円となった。日足チャートで見ると、25日移動平均線を回復して出直り歩調の展開である。また週足チャートで見ると、7月25日の年初来安値288円をボトムとして下値を切り上げ、一旦は押し戻された26週移動平均線を回復している。下値固めが完了してトレンド好転を確認した形だろう。業績面の安心感に加えて、テーマ性とチャート妙味にも注目したい。(本紙・シニアアナリスト水田雅展)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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