三菱マテリアルと住友大阪セメントが石灰石鉱山共同事業を開始

2012年9月25日 11:00

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記事提供元:エコノミックニュース

 三菱マテリアルと住友大阪セメントが、新区域から採掘した石灰石を三菱マテリアル九州工場(苅田地区)及び住友大阪セメントの赤穂工場等に供給する共同事業を開始したと発表。2005年に共同開発することで合意した住友大阪セメントの鉱区につき、約6年に及ぶ工事が完成したことを受けたもの。

 住友大阪セメントが新採掘区域の剥土を行い立坑および破砕送鉱設備を新設するとともに、三菱マテリアルがこれを連結するベルトコンベアを新設。既存二次破砕設備と接続し、長距離ベルトコンベアとなる平苅輸送路も増強、さらに、三菱マテリアル九州工場(苅田地区)には専用石灰石サイロや船積み設備も新設して住友大阪セメントの石灰石専用輸送船に積み込む体制を整備した。

 新採掘区域(小倉鉱山)の採掘作業は、住友大阪セメントが、小倉鉱山を採掘中の同社子会社である小倉鉱業と三菱マテリアルに委託して実施。坑内設備(東谷鉱山)の運転は、三菱マテリアルが同社の坑内設備と併せて行うという。

 共同事業とすることにより、東谷鉱山と小倉鉱山の隣接部分に各々の単独採掘では取り残される石灰石資源(約3億トン)の採掘も可能となり、2012年度は、新採掘区域から約170万tの採掘を計画。このうち約120万tを三菱マテリアルに、約50万tを住友大阪セメントに供給する予定。

 石灰石鉱業協会の発表によると鉄鉱用・石灰用石灰石は、中国経済の減速懸念や欧州信用及び為替変動不安が払拭出来ず減少すると見られるものの、復興需要が本格化し、政府・民間住宅・非住宅投資とも増加すると予想され、平成24年度の石灰石需要の見通しは13500万トンと平成23年度を0.7%上回るという。復興は一朝一夕になされるものではないが、復興に支えられた需要が減速した時、市場の縮小を食い止める策はあるのであろうか。

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