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GMOペパボ、貸倒関連費用の減少等により営業利益は前年比649.3%と大幅増、新事業「GMO即レスAI」の提供を開始
GMOペパボ、貸倒関連費用の減少等により営業利益は前年比649.3%と大幅増、新事業「GMO即レスAI」の提供を開始[写真拡大]
決算サマリー
佐藤健太郎氏:代表取締役社長の佐藤です。本日はお忙しい中、説明会へご参加いただきありがとうございます。GMOペパボ2024年12月期第1四半期決算説明会を開始します。
今回の決算サマリーです。売上高は、金融支援事業において請求書買取額が前年同期比で減少し減収となった一方で、営業利益は、同事業の貸倒関連費用が減少したことから大幅増益となりました。
今後の成長に向けては、全社的にAIを導入し業務効率化を図ります。また、新たな事業として「GMO即レスAI」の提供を開始しました。AIの取り組みについては後ほどご説明します。
AGENDA
本日のアジェンダです。2024年12月期第1四半期の業績と、今後の取り組みについてご説明します。資料後半には参考資料も掲載していますので、お時間のある際にご覧ください。
決算概要(1Q実績)
決算概要です。売上高は、金融支援事業の買取基準厳格化により同事業の請求書買取額が減少し、前年同期比96.8パーセントの26億4,700万円となりました。
営業利益は、ストックの好調な推移と貸倒関連費用が減少により、前年同期比649.3パーセントの2億3,400万円となりました。大幅増益となったことから、経常利益と四半期純利益もプラスとなっています。
連結業績推移(四半期ごと)
四半期売上高と営業利益の推移はスライドのとおりです。
売上高(ストック型ビジネス)
業績を牽引しているストック型ビジネスの四半期の売上高推移です。ホスティング事業と「カラーミーショップ」の一過性収益を除いた売上高は、ホスティング事業の価格改定効果を受け、順調に成長しています。2024年12月期第1四半期は17.6億円となりました。
営業利益増減分析(1Q)
営業利益の増減分析です。2023年12月期第1四半期は貸倒関連費用を計上していましたが、それらの費用計上がなくなったことから、営業利益は大幅に増加しています。
セグメント別業績(2024年12月期 1Q)
セグメント別の業績サマリーはスライドのとおりです。ホスティング事業は「ロリポップ!」「ムームードメイン」の価格改定効果と高価格帯プランの売上増加により、好調に推移しています。
EC支援事業は「SUZURI」の流通額が前年を下回りましたが、コストを効率的に投下した結果、営業利益は前年並みとなりました。
ハンドメイド事業は流通額が減少したものの、作家向けのサイト内広告の展開により増益となりました。
金融支援事業は、請求書買取額が減少し減収となりましたが、貸倒関連費用も減少したことから損失幅が大幅に縮小しています。
ホスティング事業
ここからは各セグメントについてご説明します。
まずはホスティング事業です。売上高は前年同期比111.2パーセントの15億2,200万円、営業利益は前年同期比126.5パーセントの5億3,900万円となりました。
ホスティング事業(ロリポップ!)
レンタルサーバーサービスの「ロリポップ!」は、売上高が6億5,000万円、営業利益が3億4,400万円となりました。
顧客単価は継続的に上昇しています。2023年2月に実施した価格改定効果はおおむね一巡していますが、高価格帯プランの契約比率が高まっており、今後も単価は緩やかに上昇する見込みです。一方で、累計の契約件数は減少しています。
ホスティング事業(ロリポップ!for Gamers)
ホスティング事業を取り巻く環境についてご説明します。スライド左側に図示しているのが、我々が現在認識しているネット業界であり、アウトプットしているユーザーの環境です。
今まではSNSに集約されていましたが、少しずつSNSの効果や影響力が分散し、さまざまなコミュニティがいろいろなサイトやSNSに分散化してきています。その中で、サーバーのニーズ自体も変化し、活用方法も徐々に認識を変えつつある状況です。
これまで我々は基本的に、Webサイトを作る・公開をするというサーバーニーズに対してサービスを提供していました。しかし今は、多くのホスティング事業者も参入しているように、ゲームを利用するためのサーバーや小さなSNSを自分で作るためのサーバーなど、個人によるさまざまなニーズが広がっています。
そこで我々も「ロリポップ!for Gamers」というサービス・プランを新設し、4月15日に提供を開始しました。今後も、多様なコミュニティやサーバーニーズに応えるサービスをどんどん提供していきたいと考えています。
「ロリポップ! for Gamers」の料金プランは、月額4,300円と1万1,000円の2つを提供する予定です。「ロリポップ!」の価格帯は320円台ですので、そこから考えるとかなり高いという状況です。
ホスティング事業(ムームードメイン)
ドメイン取得代行サービスの「ムームードメイン」は、売上高が6億4,400万円、営業利益が1億900万円となりました。契約件数自体は微減していますが、サービス維持調整費を導入した効果によりドメイン単価が上昇し、営業利益が大幅に増加しています。
ホスティング事業(ムームーサーバー)
昨年から提供を開始した、ドメイン取得からサーバー契約までを一元管理できる「ムームーサーバー」は、第1四半期の新規契約件数が1,346件となっています。
今期は5,000件の契約獲得を目指して、順調なスタートを切っている状況です。「ムームーサーバー」の月額料金は1,430円のため、今後は高価格帯プランの売上拡大に寄与すると考えています。
ホスティング事業 サーバー売上高(プラン別)
ホスティング事業のプラン別サーバー売上高の推移です。価格改定効果により、サーバー全体の売上高が着実に増加しています。特に高単価プランの売上高は、2020年から2024年にかけて大幅に伸びています。
サーバーを利用するユーザーの属性も個人から法人にシフトし、よりハイスペックなサーバーの需要が拡大しています。これによりハイスピードプランの契約件数が増え、高単価プランの売上高が増加しました。
引き続き、高単価プランの売上比率を高めることで、ストック型収益の基盤拡大を目指していきます。
ホスティング事業 今後の見通し
高単価プランの中でも「ムームーサーバー」と「ロリポップ!for Gamers」は価格が高いため、新たな成長ドライバーとして位置づけています。これらのプランの新規契約件数を積み上げていくことで、ストック型収益の増加を目指していきます。
「ロリポップ!for Gamers」の売上高は、2024年12月期第2四半期から計上される予定です。
EC支援事業
EC支援事業についてです。売上高は前年同期比94.9パーセントの6億6,500万円、営業利益は前年同期比98.5パーセントの1億6,000万円となりました。
EC支援事業(カラーミーショップ)
ECサイト構築サービスの「カラーミーショップ」は、売上高が5億400万円、営業利益が1億8,800万円となりました。顧客単価は価格改定効果を受けて前年同期比で増加しましたが、契約件数が減少した結果、売上高と営業利益はともに減少しています。
EC支援事業(カラーミーショップ流通額の推移)
「カラーミーショップ」の流通額の推移です。業績好調な店舗の流通が拡大したことにより、店舗流通額は前年同期比で100.6パーセントとなりました。
EC支援事業(1店舗あたりの四半期流通額と上位店舗数の推移)
スライド左側のグラフは、「カラーミーショップ」の有料プランを契約している1店舗あたりの四半期流通額を示しています。2019年から2024年までの5年間で、81万円から167万円と約2倍に成長しました。
「カラーミーショップ」は年商1,000万円以下の店舗が多いサービスですが、中でも我々が「上位」と呼んでいる年商1,000万円以上の店舗数は、2019年から2023年にかけて1,292店舗から2,848店舗へ増加しています。
現在は売上が少ない店舗の退店が増えているものの、着実に流通を伸ばしている店舗が増えています。そのため、これらの店舗との契約を継続し、さらに流通を拡大することを通じて基盤の拡大を目指したいと考えています。
EC支援事業(カラーミーショップ):今後の施策
特に流通額の大きい上位店舗向けに、昨年から「プレミアムプラン」の提供を開始しました。これにより店舗数と売上がともに増加し、前四半期比36.2パーセント増と好調に推移しています。引き続き、上位店舗の新規契約獲得に向けた営業強化に取り組みます。
また、それ以外の有料プラン契約店舗の獲得に関しては、取次店経由の契約件数が前四半期比13.5パーセント増となっています。こちらも引き続き、取次店経由での獲得拡大を目指します。
加えて、提携パートナーとの契約条件の見直しを行っています。こちらの施策により、ストック型収益の増加を見込んでいます。
EC支援事業(SUZURI)
オリジナルグッズ作成・販売サービスの「SUZURI」は、売上高が1億6,100万円、営業利益がマイナス1,800万円となりました。流通額は伸び悩みましたが、効率的なコスト使用の結果、損失幅が縮小しています。
EC支援事業(SUZURI):今後の施策
「SUZURI」は、アプリ経由のコンバージョンレートがブラウザ経由の約3倍になるため、前年第4四半期からアプリ利用の促進に注力しています。
その結果、アプリの新規ダウンロード数は前年同期比178パーセント増となりました。アプリ流通額は、前年同期比で23.1パーセント増加していますので、引き続きアプリ比率を増やして流通額の増加を目指していきます。
ハンドメイド事業(minne)
ハンドメイド事業の「minne」は、売上高が前年同期比87.0パーセントの3億5,900万円、営業利益が前年同期比112.6パーセントの3,000万円となりました。
流通額が減少したことから前年同期比で減収となりましたが、昨年8月に開始した作家向けのサイト内広告が堅調に推移し、営業利益は増益となりました。
ハンドメイド事業(minne):流通額推移と今後の施策
「minne」の流通額は、ハンドメイド市場全体のトレンドの変化により、特に低価格帯を中心とした作品の販売が苦戦して伸び悩みが続いています。
そのため現在は、作家向けのサイト内広告で収益を計上できる仕組み作りを進めています。今後は、作家がサイト内でよりコンバージョンを上げるためのサポート体制の開発にも取り組んでいきます。
作家にとっても「minne」でハンドメイド作家として継続的に活動したいというニーズは高いため、5月より作家向けの有料会員サービスを提供する予定です。こちらでは、作家がフォロワーにアプローチできるプランや、作家が作家として活動するために、購入者に対してアプローチできる機能などを提供していきたいと考えています。
金融支援事業
金融支援事業についてです。売上高は前年同期比39.4パーセントの9,900万円、営業利益はマイナス600万円となりました。売上高は、2023年12月期第2四半期からの請求書買取額抑制の影響を受けた一方で、営業損失は、貸倒関連費用の減少により損失幅が縮小しています。
貸倒関連費用による営業利益への影響
貸倒関連費用の推移です。2023年12月期第1四半期には1億8,000万円、第2四半期には10億9,000万円を計上していますが、第3四半期以降は債権回収も進んで戻入益を計上したため、安定的に推移しています。
FREENANCE 請求書買取額推移
審査基準を厳格化した2023年12月期第2四半期以降の請求書買取額は横ばいとなり、今期第1四半期の買取額は13億円となりました。
AIを利用した新規の取り組み
2024年12月期における、その他の定性的なトピックについてです。2024年2月に開催した2023年度本決算でもお伝えしましたが、当社は「AIで未来を創るサービス」を提供したいと考えています。
GMOペパボでのAI活用効果
当社は2024年1月に、Webサイトや電話でのさまざまな問い合わせ対応の1次受けを100パーセントAI化しました。この自動化対応により、3つの成果がありました。
1つ目は、ユーザーとのコミュニケーション工数の削減です。さまざまな部署で問い合わせ対応を行っていましたが、そちらに係る時間を削減することができました。
2つ目は、時間削減に伴い、今まで問い合わせ対応を行っていた当社の仲間たちが、事業部門等の他部署・他職種へ異動できるようになったことです。それにより人財リソースの最適化が進み、全体として新規採用が抑制できています。
3つ目は、問い合わせ対応時のストレスを含め、問い合わせを解決するためのレスポンス時間を、圧倒的に削減できたことです。こちらは社内の業務効率化だけではなく、お客さま体験の質の向上にもつながっています。
AI化で得られたこれらの成果により、法人向けの新規事業の立ち上げやサービス提供も開始しました。
AI活用による生産性向上
AI活用による生産性向上について、EC構築サービスの「カラーミーショップ」における事例をご紹介します。
問い合わせをAI化したことにより、有人対応件数を前四半期比で47.1パーセント削減することができました。この工数削減により、カスタマーサポート部門の余剰時間が生まれ、事業部門への異動や職種変更に取り組むことが可能になりました。
結果として、カスタマーサポート部門のパートナー数は前年同期比で17パーセント少なくなっています。
当社は引き続き、新規採用の抑制やCS部門から事業部門への異動、他の部門への異動を積極的に行うことで組織体制の強化を行い、収益機会の獲得および生産性の向上を目指していきます。
事業化「GMO即レスAI」提供開始
2024年3月15日に発表したとおり、AIによる問い合わせ対応の導入ノウハウを基にした新規事業「GMO即レスAI」のサービス提供を開始しました。新サービスの料金プランは、初期費用が33万円から、月額費用は3万3,000円からとなっています。
ユーザーとのコミュニケーションに苦労されている企業向けに、問い合わせのAI導入をサポートします。当社が20年以上かけて培ってきた顧客対応ノウハウも併せて提供することで、さまざまな企業が抱えるユーザーとのコミュニケーション課題の解決や、生産性あるいは顧客体験の向上をサポートしていく狙いです。
現在は、当社サービスをご利用いただいている中小規模の店舗に、当該サービスのご案内を開始しています。
市場環境 (toB : AI Transformation)
今後も、問い合わせ対応に限らず、AIを活用したユーザーコミュニケーション市場は拡大が期待され、2030年の国内DX市場は5兆1,000億円にまで成長が見込まれています。
当社はそちらに対し、まずは「GMO即レスAI」による事業成長を目指していきたいと考えています。
以上が、2024年12月期第1四半期の決算説明となります。ご清聴ありがとうございました。
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