三菱マテリアルと住友大阪セメント、北九州市で石灰石鉱山共同事業を開始

2012年9月24日 17:27

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位置図(画像:三菱マテリアル)

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 三菱マテリアルと住友大阪セメントは24日、福岡県北九州市内で隣接して操業している石灰石鉱山に関し、住友大阪セメント鉱区内で未着手となっている鉱区の一部を2005年に共同開発することで合意し、これまで開発工事を進めてきたが、今回約6年に及ぶ工事が完成し、新区域から採掘した石灰石を三菱マテリアル九州工場(苅田地区)及び住友大阪セメントの赤穂工場等に供給する共同事業を開始したと発表した。

 今回、三菱マテリアルと住友大阪セメントが北九州市で隣接して操業する石灰石鉱山(東谷鉱山と小倉鉱山)のうち、住友大阪セメントが所有する鉱区で未着手となっている区域のうち一定の範囲(新採掘区域)における採掘を可能とする工事を実施した。具体的には、住友大阪セメントが新採掘区域の剥土を行い立坑および破砕送鉱設備を新設するとともに、三菱マテリアルがこれを連結するベルトコンベアを新設の上、既存二次破砕設備と接続し、長距離ベルトコンベアとなる平苅輸送路を増強した。さらに、三菱マテリアル九州工場(苅田地区)には専用石灰石サイロや船積み設備も新設し、住友大阪セメントの石灰石専用輸送船に積み込む体制を整備した。

 今回の共同事業開始により、三菱マテリアルは自社の既存鉱区の石灰石採掘に加え、新採掘区域からも供給を受けることにより、自社九州工場向けの石灰石を長期にわたって安定的に確保することが可能となった。一方、住友大阪セメントは、従来から行ってきた小倉鉱業との石灰石販売事業を継続して行うとともに、三菱マテリアルへ破砕輸送業務を委託することで、三菱マテリアル九州工場(苅田地区)桟橋から自社工場(赤穂、高知)向けのセメント原料用石灰石の供給が可能となった。また、東谷鉱山と小倉鉱山の隣接部分に各々の単独採掘では取り残される石灰石資源(約3億トン)の採掘も可能となった。

 2012年度は、新採掘区域から約170万トンの採掘を計画し、このうち約120万トンを三菱マテリアルに、約50万トンを住友大阪セメントに供給する予定。

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