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8月の貿易統計:悪化していく貿易環境
記事提供元:ライフパートナーズ
9月20日に財務省から発表された8月の「貿易統計速報(※1下部に説明あり)」。輸出は前年同月より5.8%減って5兆459億円、輸入も5.4%減って5兆8,000億円、貿易収支は-7,541億円となり2ヶ月連続の赤字となりました。
地域別の輸出入状況を見てみると、対米国では航空機類(+2.7寄与度※2)の輸入が大幅に増えましたが、自動車の部分品(+2.1)などの輸出も大幅に増えたため、貿易黒字が3,830億円に拡大しました。
対EUでは自動車(-4.6)や船舶(-1.8)の輸出が減ったうえ、自動車(+2.3)の輸入も増えたことで、貿易収支が962億円の赤字となりました。
対中国では原動機(-1.4)や鉄鋼(-1.1)の輸出が減りましたが、音響映像機器(-2.5)や電算機類(-1.2)の輸入がそれ以上に減りましたので、貿易赤字が2,419億円と縮小しました。
欧州経済の落ち込みが貿易収支を大きく悪化させています。また、最近の尖閣問題の影響から中国では日本製品の不買運動が広がりを見せています。この傾向が続いていくと、発電用エネルギー資源の輸入が増える冬に、貿易赤字が一段と拡大しそうです。
また、私の知る限り、日本の製造業はこれらの事態を予期した計画を立てていないので、年末にかけて業績が悪化する企業が増えてくるのではないかと考えています。
※1日本から外国への輸出、外国から日本への輸入についての統計。
※2あるデータ全体の変化に対して、個々のデータの変化がどれくらい影響を及ぼしているかを表す指標。個々の寄与度の合計が全体の変化率(%)となります。
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