【アナリストの眼】寿スピリッツ、ショップブランド構築に強さ、好業績で指標割安

2012年9月7日 09:43

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

【今、この銘柄】

  菓子大手の寿スピリッツ <2222> (JQS)は、洋菓子「ルタオ」ブランドのケイシイシイ(北海道)、寿製菓(山陰)、シュクレイ(東京)など、地域限定菓子ブランドの子会社を傘下に置いて事業展開している。空港や高速道路サービスエリアでの販売も特徴で、ショップブランド構築や新ブランド開発を重点戦略としている。

  8月3日に発表した今期(13年3月期)第1四半期(4~6月期)連結業績は、売上高が前年同期比8.3%増、営業利益が同3.9倍、経常利益が同4.0倍、純利益が同20.8倍の大幅増益だった。新ブランド投入や新規出店効果などで、ケイシイシイ、寿製菓、九十九島グループ、但馬寿、シュクレイ、そして販売子会社が概ね好調だった。生産効率化などの効果も寄与した。

  通期については前回(5月15日公表)の会社予想を据え置き、売上高が前期比3.9%増の205億円、営業利益が同16.3%増の18.2億円、経常利益が同19.3%増の18.2億円、純利益が同53.6%増の10.8億円としている。震災影響一巡、新ブランド投入、生産性向上などで増収増益となり、純利益は特別損失が一巡して過去最高益更新の見込みである。配当も年間25円(期末一括25円)の予想を据え置いた。

  通期会社予想に対する第1四半期の進捗率は、売上高が22.5%、営業利益が17.3%、経常利益が17.5%、純利益が19.3%だが、下期繁忙型のため概ね順調な水準だろう。ちなみに第2四半期累計(4~9月期)の会社予想に対する進捗率は売上高が48.2%、営業利益が51.6%、経常利益が52.3%、純利益が58.7%である。

  株価の動きを見ると、足元ではやや小動きだが、戻り高値圏となる840円~850円近辺でモミ合う展開となっている。6日の終値842円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS104円11銭で算出)は8倍近辺、今期予想配当利回りは3%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS601円48銭で算出)は1.4倍近辺となる。

  週足チャートで見ると26週移動平均線を回復して戻り歩調の展開だろう。足元は中段保ち合いの形のようだが、7月10日の戻り高値854円を突破すれば弾みがつきそうだ。3月19日に付けた年初来高値900円は視野に入っており、今期の最高純益更新見込みや指標面の割安感を評価して上値を試す可能性があるだろう。(本紙・シニアアナリスト水田雅展)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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