武闘派アーティストが会心の問題作に挑む、天明屋尚 「韻」展

2012年8月19日 20:25

印刷

記事提供元:ファッションプレス


東京・市ヶ谷のミヅマアートギャラリーでは、2012年10月10日(水)から11月10日(土)までの期間、天明屋尚 「韻」展を開催する。本展では作家初となる大規模なインスタレーションも披露。会心の問題作に挑んだ気鋭作家による、確信犯的なタブー侵犯を含んだ展示がみどころだ。


[ この記事の画像を見る ]



天明屋は、2000年に日本伝統絵画を現代に転生させる独自の絵画表現「ネオ日本画」を標榜し、権威主義的な美術体制に対して絵で闘う流派「武闘派」を旗揚げ。2010年には南北朝期の婆娑羅、戦国末期の傾奇者といった、華美(過美)で覇格(破格)な美の系譜を"BASARA”として提唱している。



今回彼が挑んだのは、乱世の不穏な空気漂う合戦図の大作。それはまさに過美にして破格の"BASARA”の精神を体現するものと言えるだろう。会場ではさらに、来場者が自身の眼を疑うようなある仕掛けが施される。一見、鑑賞者の眼力を試すかのようにも取れるその趣向はしかし、芸術作品を取り巻く視線や制度に鋭い批判の眼差しを向けている。また、初の大規模なインスタレーションは、この合戦図と対を成す補完関係にあり、現実と虚構の境界を揺さぶるメタフィジカルな視線はここでも顕在だ。



会心の問題作となることを予感させる今展。複雑に絡み合い、幾重にも張り巡らされた天明屋の仕掛けた罠をどう受け止め、どう読み解くか。一貫して反骨精神に根差した活動を続けてきた作家からの挑戦でもある。



【展覧会情報】

天明屋尚 「韻」展

会期:2012年10月10日(水)~11月10日(土)

開廊時間:11:00~19:00 日・月・祝休廊

会場:ミヅマアートギャラリー

住所:〒162-0843 東京都新宿区市谷田町3-13 神楽ビル2F

TEL: 03-3268-2500


※本記事はファッションプレスニュースから配信されたものです。ファッションプレスでは、ブランド、デザイナー情報、歴史などファッション業界の情報をお届けしています。

関連記事