東芝、テレビなどデジタルプロダクツ事業の構造改革を実施 拠点を再編・集約

2012年7月12日 18:14

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 東芝は12日、テレビなどのデジタルプロダクツ事業の収益改善、事業体質強化を図ることを目的に、国内の設計開発、品質・生産管理、アフターサービス拠点の再編・集約による効率化と、成長市場を見据えたグローバルレベルでの開発・生産体制の確立に向けた構造改革を実施すると発表した。

 具体的には、現在深谷事業所(埼玉県深谷市)にあるテレビの設計開発機能を、年内にPC・タブレット設計開発の中心拠点である青梅事業所(東京都青梅市)に集約し、PCやタブレットとの融合商品、地域密着型商品や付加価値サービス創出に向けた開発の加速を図る。

 また、デジタルプロダクツ製品の機種数、プラットフォーム数の絞り込みを行い、設計開発の効率化と開発リソースの軽量化を進める。さらに、深谷事業所とグループ会社である東芝メディア機器(青森県三沢市)で分散して行っていたテレビ修理業務の一部を、年内に東芝メディア機器に集約し、業務の効率化を図る。

 また、デジタルプロダクツ事業の品質・生産管理業務については、オペレーションのスピードアップを図るため、青梅事業所から海外各拠点への移管を進めるとともに、インドネシアやエジプトなどのテレビ生産拠点の増強やODM生産の拡大により、コスト競争力のあるグローバルレベルでの生産体制の強化を図る。

 なお、今回の構造改革の対象となるデジタルプロダクツ事業に関わる一部従業員については、新興国・付加価値サービス事業など注力部門へのシフトを行うなど、原則東芝グループ内での配置転換を行う予定。

 東芝は、国内テレビ市場における需要減少と急激な価格低下や、グローバル市場における新興国での需要増、スマートフォンやタブレットをはじめとするデバイスの多様化など、デジタルプロダクツ事業をとりまく環境変化に対応するため、構造転換を図るとともに、今後も構造改革を積極的に進め、事業体質強化および収益改善を加速していく方針。

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