世界の主要経済指標(分析と市場の反応)6月27日分

2012年6月28日 11:13

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

【6月27日の主要経済指標と市場の反応】

■27日の日本株は上昇、アジア株、欧州株、米国株も総じて上昇、為替は小動き

  27日の日本株式市場は上昇した。方向感に乏しい展開だったが、アジア株の堅調が支援材料だった。

  アジアの主要株式市場は、上海と韓国が小幅に下落したが、その他は上昇した。前日までの下落に対して短期的な反発期待の買いが優勢だった。

  欧州株式市場は上昇した。買い戻し優勢で堅調な米経済指標も安心感につながった。外国為替市場ではユーロ売り優勢の場面もあったが、概ね小動きだった。

  米国株式市場は上昇した。堅調な米主要経済指標を好感した。外国為替市場は小動きだったが、ドル買い・円売りがやや優勢だった。

≪27日 日本≫

  主要経済指標の発表はなかったが、前日の米国株式市場が上昇したこと加えて、アジアの主要株式市場が堅調だったことが支援材料となり上昇した。円の高止まり状況が続く中で方向感に乏しい展開だったが、取引終了にかけて株価指数先物取引が主導する形で上昇幅を広げた。消費税率引き上げに伴う駆け込み需要で不動産セクター、復興需要や老朽インフラ更新需要で建設セクターが物色された。3~5月期の決算発表が本格化して好業績の小売セクターも堅調な動きとなった。金融セクターも買われた。

≪27日 アジア・オセアニア≫

  上海と韓国は小幅に下落したが、香港などアジアの主要株式市場は概ね上昇した。主要経済指標の発表はなく、やや手掛かり材料難だったが、前日までの下落に対して短期的な反発期待の買いが優勢だった。

≪27日 ユーロ圏≫

  独5月輸入物価指数は前月比で0.7%低下、前年同月比で2.2%上昇となった。市場予想とほぼ同水準だった。4月は前月比で0.5%低下、前年同月比で2.3%上昇だった。

  独6月消費者物価指数(CPI)速報値は前月比で0.1%下落、前年同月比で1.7%上昇となった。5月の前月比0.2%下落、前年同月比1.9%上昇に比べて伸び率が鈍化し、市場予想をやや下回った。原油価格下落などが要因の模様である。ECB(欧州中央銀行)の利下げ余地が広がったとの見方につながっている。

  メルケル独首相はEU首脳会議を控えた27日、独下院での演説で「ユーロ共同債を巡る議論の先行は本末転倒だ」と批判し、あらためて否定的な立場を強調した。一方で、金融取引税の税収について、困難に直面するユーロ圏諸国の経済成長や競争力強化への活用もあり得るとの考えを初めて示唆した。

  ユーログループは27日、スペインがユーロ圏救済基金からの支援を正式に要請したことを歓迎するとの声明を発表し、同国は510億~620億ユーロの支援が必要になるとの見通しを示した。セーフティマージンとして追加的な資金が必要になる可能性もあるが、ユーログループが設定した1000億ユーロの限度額で十分賄えるとした。資金はスペインの銀行業界再編基金(FROB)に対して支払われるが、スペイン政府が引き続き全面的に責任を負い、覚書に署名するとした。

  またユーログループは、キプロスからの支援要請を歓迎するとの声明を同時に発表し、必要な支援額の評価が完了次第、EFSF(欧州金融安定基金)またはESM(欧州安定メカニズム)から拠出すると表明した。

  スペイン10年債利回り上昇を受けて、外国為替市場ではユーロ売りが優勢になる場面もあったが、反応は限定的だった。欧州株式市場はEU首脳会議を控えて様子見ムードも強いが、買い戻し優勢となり総じて上昇した。米5月耐久財受注や米5月住宅販売保留指数が市場予想を上回ったことも安心感につながった。

≪27日 米国≫

  米週間住宅ローン申請指数(新規購入と借り換え)は前週比7.1%低下した。前週の同0.8%低下に比べて悪化した。30年住宅ローン金利が上昇したことを受けて、借り換えが同8.3%低下した。

  米5月耐久財受注は前月比1.1%増加となり、4月改定値の同0.2%減少(同0.2%増加から下方修正)に比べて改善し、市場予想を大幅に上回った。航空機受注や自動車需要の増加が寄与した。輸送機器除くベースでは5月は同0.4%増加となり、4月の同0.6%減少に比べて改善したが市場予想を下回った。なお、民間設備投資の先行指標とされる航空機除く非国防資本財ベースでは5月は同1.6%増加となり、4月の同1.4%減少に比べて大幅に改善した。

  米5月住宅販売保留指数は101.0となり前月比5.9%増加した。4月の前月比5.5%減少に比べて大幅改善した。市場予想も上回り、住宅市場回復への期待感につながった。

  米国株式市場は上昇した。EU首脳会議に対する期待感は後退したが、米5月耐久財受注や米5月住宅販売保留指数を好感した。外国為替市場ではドル買い・円売りがやや優勢になった。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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