関連記事
住友商事がタンザニアで天然ガス焚き複合火力発電所建設を受注
住友商事が、タンザニアの国営電力公社であるTANESCOとの間で、240MWの天然ガス焚き複合火力発電所(キネレジ発電所)の建設契約を締結したと発表。同国発電能力の約20%を担うことになる。
キネレジ発電所は、タンザニアで初めての天然ガス焚き複合火力発電所として、旧首都で現在も中心都市であるダルエスサラームから約30キロ南西の地に建設される。本プロジェクトは、日本企業を中心として主機およびコントロールシステムが納入される他、タンザニアへの技術移転プログラムも含まれており、完工後2年間の保守運転業務の提供を通して、高効率発電所の管理技術の現地化および現地スタッフの人材育成を実施するとのこと。また、キネレジ発電所の完工後に必要となるダルエスサラームの基幹送電系統の整備についても、タンザニア電力分野には日本の政府開発援助(ODA)による協力の実績があり、対タンザニア支援の重点分野でもあることから、同分野での将来的な官民連携が期待できる。
タンザニアの総発電設備容量約1200MWは、水力発電約55%、火力発電約45%となっている。そうした中、昨年は極度の雨不足に起因する水力発電所の稼働率の低下により、深刻な電力不足に陥り、現在もタンザニアでは電力不足が続いているという。その対策として、発電設備を緊急的にリース導入するなどコストの高い発電方法で対応しており、抜本的な電力不足の解消が喫緊の課題となっている。こうした背景のもと実施される本プロジェクトは、タンザニア産出の天然ガスを利用した発電所であり、同国の課題解決に貢献するものとなる。
タンザニアを含めた東アフリカの5か国は東アフリカ共同体(EAC)をいう地域統合を推進しており、2010年7月には共同市場が発足。将来的には、EUのように政治や通貨の統合も目指しているという。いずれの国も天然資源が豊富であり、5か国あわせると182万平方キロの国土に人口は1億3千3百万人。GDPの総額は745億ドルと小さいものの、今世紀に入ってからは様々の経済危機にもかかわらず6~7%の経済成長率を達成している。日本企業がこの市場の潜在能力を引き出すことにどこまで貢献できるか。アフリカ諸国への積極的な進出が日本の将来の国益に叶うのではないだろうか。
※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
スポンサードリンク