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住友化学などが新タイプのマラリア予防用防虫剤処理蚊帳を開発
住友化学が、「イノベーティブ ベクター コントロール コンソーシアム」(IVCC)と共同で、ピレスロイド系薬剤に抵抗性を有する蚊に対しても効果を発揮する、新しいタイプのマラリア予防用防虫剤処理蚊帳「オリセットデュオ」を開発したと発表。「世界保健機関」(WHO)から長期残効型蚊帳としての承認が得られ次第、販売を開始する。
国立感染症研究所のデータによると、マラリアは、亜熱帯・熱帯の100カ国以上において広く分布しており、2008年には患者数2億4300万人、死亡者数86万3000人と推計され、世界人口の約40%が感染の危機にあるという。マラリアは、マラリア原虫に感染した蚊に刺されることにより人に感染するため、経済的かつ効果的な予防手段として、防虫剤で処理された蚊帳の使用が推奨され、その効果も実証されている。しかし、一部の地域では、現在防虫剤処理蚊帳に広く使われているピレスロイド系薬剤に抵抗性を有する蚊の発生が、確認され始めている。
こうした中、住友化学は、独自技術により開発し、2001年には「世界保健機関」(WHO)から世界で初めて「長期残効型蚊帳」として承認された「オリセットネット」を、マラリアが多く発生するアフリカなどの地域を中心に広く販売していた。そして、ピレスロイド系薬剤に抵抗性を有する蚊の発生に対する問題を解決するため、2011年から「IVCC」と共同で新しいタイプの蚊帳の開発に取り組んでおり、今回の「オリセットデュオ」の開発に至った。
中国やアセアン諸国の経済発展に注目が集まる中、着実に経済成長を続けているアフリカ諸国。2009年には世界の大部分の地域がマイナス成長に陥る中でアフリカはプラス成長となっている。家計最終消費支出や携帯電話加入数が2000年以降急激に伸長するなど、アフリカ内需の急拡大がこの成長を支えているという。内戦やマラリア・エイズなどの問題を抱える地域ではあるものの、これらの問題を解決へと導けば、更なる成長が見込まれるだけに、外国企業の進出も活発化するであろう。今回開発されたマラリア予防用防虫剤処理蚊帳の普及は、その為の一手だといえる。中国・インドと言った企業が積極的に進出する中、日本企業が同市場で蚊帳の外とならぬ為の施策が、求められているのではないだろうか。
※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
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