サムスン・LG、技術を盗用した中国IT企業に対し「処罰しないで」との嘆願書を提出

2012年5月7日 17:25

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 サムスン電子とLGエレクトロニクスが、ディスプレイ技術を盗用した中国IT企業に対し「処罰しないでほしい」との嘆願書を検察に提出したことが明らかになった。

 3日、捜査当局と関連業界の話によると、被害当事者であるサムスンとLGは、昨年12月に技術を盗用した中国企業BOEの処罰を望まないという嘆願書を提出した。

 当時、中国IT企業BOEの職員が、前サムスンモバイルディスプレイ(SMD)研究員および前LGディスプレイ研究員とそれぞれ共謀してLCDの技術とAM OLEDの技術を盗用したとして摘発されていた。これに、警察側は約478億ドルの被害を受けたと発表していた。

 司法部もBOEの不法行為の事実を認め、先月の1審でBOEの職員は懲役2年を、SMDとLGDの前研究員らは執行猶予を言い渡された。BOEも立件されたが起訴猶予処分となった。

 捜査関係者は、「BOEが二度とこのようなことは起こさないと約束したので処罰は望んでいないという趣旨の嘆願書をサムスンが提出した」と明かした。

 サムスンが嘆願書を提出したのは、捜査を行っていた時期に、サムスンの70億ドル規模の半導体工場の中国進出とLCDライン変更に対する中国政府の承認が差し迫っていたためと見られる。

 実際、BOEが起訴猶予処分を受けた後、サムスンはこの二つの事業においていずれも中国政府より承認を得ている。

 業界の関係者は「サムスンとLGは中国でさまざまな事業を展開していかなければならないが、この件のせいで中国との関係をぎくしゃくさせたくないと判断し、今回嘆願書を提出したものと思われる」と明かした。(翻訳:宮本りさ)

※この記事は재경일보提供の記事を日本向けに翻訳・編集したものです。

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