【外国為替市場を検証:ドル・円相場】重要イベント通過してドル売り・円買い優勢

2012年4月28日 18:50

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

【外国為替市場フラッシュ:4月23日~27日のドル・円相場】

■1ドル=80円20銭台~81円60銭台で推移

  4月23日~27日のドル・円相場は、概ね1ドル=80円20銭台~81円60銭台のレンジで推移した。ドル売り・円買いがやや優勢で、週末27日の海外市場で終盤は1ドル=80円20銭~30銭近辺だった。

  週前半は重要イベントを控えてモミ合う展開だったが、25日の米FOMC(連邦公開市場委員会)後の記者会見で、バーナンキ米FRB(連邦準備制度理事会)議長が必要に応じて追加措置を講じる用意があると述べ、量的緩和策第3弾(QE3)の余地を残したため、徐々にドル売り・円買いが優勢になった。さらに27日の日銀金融政策決定会合で追加緩和策を決定した直後に乱高下したが、結局は材料出尽くし感でドル売り・円買いが優勢になった。

  ドル・円相場の1週間の動きを振り返ってみよう。前週末20日の海外市場では概ね1ドル=81円50銭台~70銭台で推移した。日銀の追加緩和観測や米国株式市場の上昇を受けてドル買い・円売り優勢の場面もあったが、重要イベントを控えて小動きだった。終盤は1ドル=81円50銭近辺だった。

  こうした流れを受けて23日の東京市場では概ね1ドル=81円00銭台~60銭台で推移した。午前は、22日の仏大統領選第1回投票でサルコジ現大統領が苦戦したため、5月6日の決選投票に向けての不透明感などでリスク回避のドル売り・円買いが優勢になった。午後は、中国4月製造業PMI(購買担当者景気指数)速報値が6カ月連続で50を下回ったが、3月に比べて改善したためドル売り・円買いが一服した。終盤になるとユーロ売り・円買いの流れが波及して1ドル=81円00銭台に円が上昇した。23日の海外市場では概ね1ドル=80円90銭台~81円20銭台で推移した。ドル売り・円買いが一巡して小幅レンジでモミ合う展開だった。終盤は1ドル=81円20銭近辺だった。

  24日の東京市場では概ね1ドル=80円80銭台~81円20銭台で推移した。豪第1四半期CPI(消費者物価指数)が市場予想以上に低下したことで金融緩和観測が強まり、豪ドルが下落した流れでドル売り・円買いが優勢になる場面があった。後半はユーロ買い戻しの流れでドル買い・円売りがやや優勢となり、終盤は1ドル=81円10銭~20銭近辺だった。24日の海外市場では概ね1ドル=81円00銭台~30銭台で推移した。様子見ムードが強く小動きだったが、日銀の追加緩和観測でドル買い・円売りがやや優勢になった。終盤は1ドル=81円30銭近辺だった。

  25日の東京市場では概ね1ドル=81円20銭台~50銭台で推移した。米FOMC声明やバーナンキ米FRB議長の記者会見を控えて小動きだった。終盤は1ドル=81円30銭近辺だった。25日の海外市場では概ね1ドル=81円00銭台~60銭台で推移した。米3月耐久財受注が市場予想を下回ったことを受けてドル売り・円買いが優勢になる場面があった。FOMC声明発表直後には、FRBメンバー予想で1月時点に比べて14年以降の利上げ予想が減少し、ゼロ金利解除時期が前倒しの形となったことを受けて、QE3観測がやや後退してドル買い・円売りが優勢になる場面があった。ただし記者会見でバーナンキ米FRB議長が、必要に応じて追加措置を講じる用意があると述べてQE3の余地を残したため、ドル売り・円買いがやや優勢になった。終盤は1ドル=81円30銭近辺だった。

  26日の東京市場では概ね1ドル=81円10銭台~40銭台で推移した。小沢民主党元代表の無罪判決が出た直後に政局不安に対する警戒感で円安方向に傾く場面もあったが、27日の日銀金融政策決定会合を控えて概ね小動きの展開だった。ただし午後にはドル売り・円買いがやや優勢となり、終盤は1ドル=81円10銭台だった。26日の海外市場では概ね1ドル=80円60銭台~81円10銭台で推移した。欧州大手銀行の決算が不振だったこと、米新規失業保険申請件数が悪化したこと、日銀の追加緩和に対する過度な期待感が後退したことなどで、ドル売り・円買いが優勢になる場面があった。その後はドル買い・円売りの動きとなり終盤は1ドル=81円00銭近辺だった。

  27日の東京市場では概ね1ドル=80円40銭台~81円40銭台で推移した。日銀金融政策決定会合での追加緩和決定を受けて乱高下したが、結局は材料出尽くし感でドル売り・円買い方向に傾いた。日本時間早朝に格付会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)がスペイン国債格付引き下げを発表したが、反応は限定的だった。終盤は1ドル=80円70銭台だった。27日の海外市場では1ドル=80円20銭台に円が上昇した。日銀金融政策決定会合を通過し、米第1四半期実質GDPが市場予想を下回ったことで米国の追加緩和観測が強まりドル売り・円買いが優勢だった。終盤は1ドル=80円20銭~30銭近辺だった。

  ドル・円相場に関しては、米FOMC(連邦公開市場委員会)、日銀金融政策決定会合ともに、ほぼ市場のコンセンサスの範囲でサプライズはなく、結果的には量的緩和策第3弾(QE3)への期待感で、徐々にドル売り・円買いが優勢になった。

  さらに米国の主要経済指標は全体的にやや低調な内容であり、特に雇用関連指標の悪化が目立っている。このためQE3に対する期待感が高まり、一段と円高方向に傾く可能性もあるだけに、5月4日の米雇用統計が注目されるだろう。

  来週以降の注目スケジュールとしては、4月30日のスペイン第1四半期GDP速報値、日米首脳会談、5月1日の中国4月PMI(購買担当者景気指数)(物流購買連合会)、豪中銀理事会、米4月ISM製造業景気指数、2日の日本マネタリーベース、EU財務相理事会、米4月ADP雇用報告、3日のECB理事会(金利発表と記者会見)、米新規失業保険申請件数、3日~4日の米中戦略・経済対話、4日の米4月雇用統計、6日の仏大統領選決選投票、ギリシャ総選挙、9日~10日の英中銀金融政策委員会、10日の日本3月経常収支、米3月貿易収支、米4月財政収支、バーナンキ米FRB議長の講演などがあるだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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