凸版印刷と大日本印刷、液晶カラーフィルター事業をシャープ堺工場に統合

2012年4月10日 20:51

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 シャープ、凸版印刷、大日本印刷は10日、凸版印刷及び凸版印刷の子会社であるトッパンエレクトロニクスプロダクツ、並びに大日本印刷及び大日本印刷の子会社であるDNPカラーテクノ堺の堺工場における液晶カラーフィルター事業を、シャープの子会社であるシャープディスプレイプロダクト(以下SDP)に統合させることについて、基本合意書を締結したと発表した。なお、統合の手法については、今後統合に係る各当事者で協議の上決定するという。

 SDP(堺工場)は2009年10月より稼動を開始した世界で唯一の第10世代液晶工場。液晶パネルの部材メーカーに加え、電気、ガスや水といったインフラ・エネルギーメーカーが堺工場に進出し、部材から液晶パネルまでの一貫生産を実現し、液晶パネル生産の垂直統合化を推し進めてきた。しかし、SDPを取り巻く経営環境は、円高基調の恒常化やデジタル商品の熾烈な競争激化による市場価格の下落など、厳しさが一層増しており、堺工場の操業安定化とコスト競争力の強化を実現すべく更なる効率運営が必要となっていた。

 そこで、先般、シャープは、鴻海精密工業グループと資本業務提携契約を締結、SDPで生産する液晶パネル・モジュールを、鴻海精密工業とシャープがそれぞれ50%ずつ引き取ることにより、SDPの高い稼動率維持を図り、そのコスト力強化と収益性改善を図ることとした。

 今回、シャープ、凸版印刷及び大日本印刷は、凸版印刷及びトッパンエレクトロニクスプロダクツ並びに大日本印刷及びDNPカラーテクノ堺の液晶カラーフィルター事業をSDPに統合することにより、液晶パネルの主要部材であるカラーフィルターも含めた大型液晶事業の一層の効率化を図り、同事業の競争力強化を目指す。

 SDP株式については、鴻海精密工業の郭 台銘氏が132万株(所有割合46.48%)を取得する予定。また、今回の統合に伴い、統合対価としてSDP株式の発行が見込まれることから、当該株式譲渡及び統合が実行された場合は、シャープのSDPに対する議決権比率が40%未満となり子会社の異動が見込まれるという。なお、現在のSDP株式の持株比率はシャープ:92.96%、ソニー:7.04%。

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