富士フイルムと協和発酵キリン、新会社発足

2012年3月29日 11:00

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記事提供元:エコノミックニュース

 富士フイルムと協和発酵キリンが、バイオシミラー医薬品の開発・製造・販売の合弁会社「協和キリン 富士フイルム バイオロジクス株式会社」を設立したと発表。昨年11月になされていた設立に関する基本合意を実現したもので、資本金1億円の出資比率は、富士フイルム50%、協和発酵キリン50%とのこと。

 新会社では、富士フイルムが長年写真フィルムなどの事業で培った高度な生産技術や品質管理技術、解析技術と、協和発酵キリンがバイオ医薬品の研究・開発・製造で蓄積してきた独自技術・ノウハウを融合させて、バイオシミラー医薬品の画期的な生産プロセスの創出やコスト低減を行う。

 薬は化学合成薬とバイオ医薬品とに大別されるが、バイオシミラー医薬品とは、バイオ医薬品の特許が切れた後に、別の会社が先行薬に似せて製造した薬のこと。バイオ医薬品におけるジェネリック医薬品のようなものである。

 新会社では、まず、関節リウマチ等に高い治療効果を持つヒト型抗ヒトTNF-αモノクローナル抗体製剤「アダリムマブ」のバイオシミラー医薬品の開発に取り組み、協和発酵キリンが既に確立している生産細胞を導入し、2013年初めに臨床試験を開始させる。そして、臨床試験開始後4から5年での上市をターゲットに開発を進め、2014年以降も、毎年1品目ずつバイオシミラー医薬品の臨床試験を開始していく計画だという。

 2009年に国内初のバイオシミラー医薬品が登場して以降、未だ市場に投入されたバイオシミラー医薬品は2剤飲みである。生まれたばかりであるバイオシミラー市場は、富士経済によると、2010年の市場規模は10億円。2014年には2010年比6倍の60億円と予測されており、2015年以降は100億円を超える急成長市場と目されている。同様の後発薬であるジェネリック医薬品の市場規模は2010年で4401億円、2014年には5865億円に達すると予想されている。バイオシミラー医薬品も、ジェネリック医薬品のように、巨大な市場となれるであろうか。もっとも注目すべき市場の一つと言えるかもしれない。

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