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資生堂など、新技術の開発で医療へ貢献
資生堂は昨年12月、同社のフロンティアサイエンス事業部が慶應義塾大学医学部解剖学教室の研究グループおよび九州大学大学院薬学研究院生体分析化学分野と共同で行った研究にて、運動神経が選択的に変性してしまう神経難病のひとつである「筋萎縮性側索硬化症」において、「D‐セリン分解酵素」の異常が、脊髄のD‐セリン量の変化を引き起こし、運動神経変性の制御に深く関与することを明らかにした。この研究は、資生堂と九州大学が開発した「二次元高速液体クロマトグラフィー」による高感度アミノ酸分析技術を基盤に、脳組織中に極微量存在しているD‐セリンの分析を可能にしたことによって大きく前進ており、この高感度アミノ酸分析技術は、神経難病の解明などの医療分野だけでなく、美容や化粧品の開発の手助けになることも期待される。
第一三共は今年1月、アストラゼネカと共同で、第一三共が多発性骨髄腫による骨病変および固形癌骨転移による骨病変の治療薬ランマーク(R)皮下注120mg (一般名:デノスマブ)の国内製造販売承認を取得した。デノスマブはRANKリガンド(破骨細胞の形成、機能および生存に必須の蛋白質)を標的とする世界初のヒト型モノクローナル抗体で、第一三共が2007年に同抗体を創製した米国の「Amgen Inc.」から日本国内での開発・販売権を取得し、開発を進めてきており、2011年5月に、日本におけるランマークのコ・プロモーションについて第一三共とアストラゼネカが契約を締結していた。
同月、エーザイは日本で開発を進めてきた「ルネスタ(R)」(一般名:エスゾピクロン)について、不眠症の効能・効果で製造販売承認を取得したことを発表した。同剤は、米国の「サノビオン社」が創製し、2005年4月より同国にて「LUNESTA(R)」という名称で販売されているもの。「LUNESTA(R)」は、米国で初めて投与期間に関する制限の無い不眠症治療薬として承認を取得したもので、不眠症患者に広く使用されている。エーザイは、サノビオン社より2007年7月に日本における開発および販売の独占的な権利を獲得して開発を進めており、2010年11月に製造販売承認申請を行っていた。
化粧品および製薬各社にとって新技術や新薬の開発や承認の取得は、各企業の根幹を担う重要な要素であることは言うまでもない。各社が手に入れた新技術および新薬が、医療現場や患者のベネフィット向上に貢献する。
※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
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