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【外国為替市場を検証:ドル・円相場】末10日の海外市場で終盤は1ドル=77円60銭近辺
【外国為替市場フラッシュ:2月6日~10日のドル・円相場】
■週後半はややドル高・円安方向
2月6日~10日の週のドル・円相場は、概ね1ドル=76円50銭近辺~77円80銭近辺で推移し、週後半にはドル高・円安方向に傾いた。前週末3日の米1月雇用統計で市場予想以上に雇用情勢が改善したことや、ギリシャ第2次支援協議の合意に対する期待感などで、リスク回避の動きが後退した。日本の11年経常黒字が前年比43.9%減少したことも円売りにつながった。週末10日の海外市場で終盤は1ドル=77円60銭近辺だった。
ドル・円相場の1週間の動きを振り返ってみよう。前週末3日の海外市場では1ドル=76円70銭台に円が下落する場面があった。序盤は1ドル=76円10銭~20銭近辺で小動きだったが、米1月雇用統計で非農業部門雇用者数が前月比24.8万人増加し、失業率は8.3%となり前月比0.2ポイント低下した。いずれも市場予想以上に改善したため米長期金利が上昇し、ドル買い・円売りが優勢になった。ドル買い一巡後はモミ合う展開となり、終盤は1ドル=76円60銭近辺だった。
週初6日の東京市場では、概ね1ドル=76円50銭近辺~80銭近辺で推移した。ユーロ売り・ドル買いの流れが波及してドル買い・円売りが優勢になる場面もあったが、その後はモミ合う展開となり、終盤は1ドル=76円60銭台だった。6日の海外市場では、概ね1ドル=76円50銭台~60銭台で推移した。ギリシャ債務交換交渉や第2次支援協議に対する不透明感などで様子見ムードを強めた。
7日の東京市場では、概ね1ドル=76円50銭台~70銭台で推移した。11年の為替介入実績で、11月1日~4日に日本政府が覆面加入を合計1兆円規模で実施していたことが明らかになり、ドル買い・円売りが優勢になる場面もあったが、その後はモミ合う展開となり、終盤は1ドル=76円60銭台だった。7日の海外市場では1ドル=76円90銭台に円が下落した。手掛かり材料難だったが、ユーロ買い戻し・円売りの流れでドル買い・円売りがやや優勢だった。終盤は1ドル=76円70銭~80銭近辺だった。
8日の東京市場では1ドル=77円10銭台に円が下落した。日本の11年の経常黒字が9兆6289億円で前年比43.9%減少したことや、12年1月上中旬の貿易収支が1兆5600億円の赤字だったことに加えて、ユーロ買い戻しとなった流れがドル買い・円売りにつながった。終盤は1ドル=77円00銭台だった。8日の海外市場では1ドル=76円70銭台に円が上昇する場面があった。ギリシャ問題に対する警戒感でリスク回避のドル売り・円買いが優勢になった。その後は米長期金利上昇などを受けて1ドル=77円00銭~10銭近辺でモミ合う展開だった。
9日の東京市場では、概ね1ドル=77円00銭台~20銭台で推移した。様子見ムードを強めて小動きだったが、終盤はドル買い・円売りがやや優勢になった。9日の海外市場では1ドル=77円70銭近辺に円が下落した。序盤は様子見ムードを強めたが、その後はドル買い・円売りがやや優勢になった。ギリシャ連立与党が第2次支援条件の追加緊縮財政措置で合意したことや、米新規失業保険申請件数が市場予想以上に改善したことを受けて、リスク回避の動きが後退した。
10日の東京市場では、概ね1ドル=77円50銭台~70銭台の小幅レンジで推移した。9日のユーロ圏財務相会合でギリシャ第2次支援に関して、財政緊縮策のギリシャ議会承認などを求め、正式決定を15日に持ち越したため様子見ムードを強めた。10日の海外市場では、概ね1ドル=77円50銭台~80銭台で推移した。欧米株式市場の下落を受けて様子見ムードを強め、小幅レンジでモミ合う展開だった。終盤は1ドル=77円60銭近辺だった。
ドル・円相場に関しては、1月25日の米FOMC(連邦公開市場委員会)声明とバーナンキ米FRB(連邦準備制度理事会)議長の記者会見後に、低金利政策の長期化観測や量的緩和策第3弾(QE3)への期待感でドル売り・円買いの流れとなったが、2月3日の米1月雇用統計が市場予想以上に改善したことに加えて、ギリシャ第2次支援協議の合意に対する期待感、日本の11年経常黒字の大幅減少などで、今週はドル買い・円売りがやや優勢になった。
引き続き、ユーロ圏債務危機問題、米低金利政策の長期化観測や量的緩和策第3弾(QE3)への期待感、日本政府によるドル買い・円売り市場介入への警戒感などが交錯する形であり、方向感の出にくい状況だろう。
当面の注目材料としては、13日の日本10~12月期GDP1次速報値、ギリシャ債務交換の最終案提示期限、オバマ米大統領2013会計年度予算教書発表、13日~14日の日銀金融政策決定会合、14日の米1月小売売上高、15日のユーロ圏10~12月期GDP速報値、ユーロ圏財務相会合などがあるだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。
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