【外国為替市場を検証:ユーロ・円相場】週末の海外市場で終盤は1ユーロ=102円50銭近辺

2012年2月11日 16:57

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

【外国為替市場フラッシュ:2月6日~10日のユーロ・円相場】

■概ね1ユーロ=99円80銭~103円20銭近辺で推移、週後半はユーロ高・円安方向

  2月6日~10日の週のユーロ・円相場は、概ね1ユーロ=99円80銭台~103円20銭台で推移した。ユーロ圏主要国の国債利回りが低下したことに加えて、週後半にはギリシャ第2次支援協議の合意に対する期待感などでリスク回避の動きが後退し、ユーロ買い戻し・円売りが優勢になった。週末10日の海外市場で終盤は1ユーロ=102円50銭近辺だった。

  ユーロ・円相場の1週間の動きを振り返ってみよう。前週末3日の海外市場では1ユーロ=100円80銭台に円が下落した。ユンケル議長の「ユーロ圏財務相会合を6日に開催しないが週内に開催する可能性がある」との発言を受けて、ユーロ売りが優勢になる場面もあった。しかし欧州株式市場の大幅上昇なども支援材料となり、その後はユーロ買い戻し・円売りが優勢になった。終盤は1ユーロ=100円80銭近辺だった。

  週初6日の東京市場では、概ね1ユーロ=100円00銭台~50銭台で推移した。ギリシャ債務交換交渉の合意遅れに対する警戒感でユーロ売りがやや優勢だった。終盤は1ユーロ=100円20銭~30銭近辺だった。6日の海外市場では、概ね1ユーロ=99円80銭台~100円50銭台で推移した。序盤はギリシャ第2次支援協議に対する不透明感などでユーロ売りが優勢だったが、その後はギリシャ政府が1.5万人の公務員削減を受け入れるとの報道などで、最終的には合意に至るとの楽観的な見方が広がりユーロ買い戻しが優勢になった。終盤は1ユーロ=100円50銭台だった。

  7日の東京市場では、概ね1ユーロ=100円30銭台~70銭台で推移した。ギリシャ第2次支援協議に関する不透明感でモミ合う展開だったが、終盤はユーロ買い戻しがやや優勢になり1ユーロ=100円70銭台だった。7日の海外市場では、1ユーロ=101円90銭台に円が下落した。ギリシャ政府が第2次支援の受け入れに関する合意文書を準備しているとの報道を受けて、ユーロ買い戻しが優勢になった。終盤は1ユーロ=101円70銭~80銭近辺だった。

  8日の東京市場では、1ユーロ=102円40銭台に円が下落した。ECB(欧州中央銀行)がギリシャ債務削減に協力するとの報道を好感し、ユーロ買い戻しの流れが継続した。終盤は1ユーロ=102円20銭台だった。8日の海外市場では、概ね1ユーロ=101円60銭台~102円20銭台で推移した。ギリシャ第2次支援に対する警戒感でユーロ売り・円買いが優勢になる場面もあったが、ユーロ圏財務相会合が9日に開催されることが伝わり、終盤は1ユーロ=102円00銭~10銭近辺でモミ合う展開だった。

  9日の東京市場では、1ユーロ=102円70台に円が下落した。ECB理事会を控えて序盤は様子見ムードを強めたが、ギリシャ第2次支援の承認に対する期待感でユーロ買い戻しが優勢になった。終盤は1ユーロ=102円50銭~60銭近辺だった。9日の海外市場では、1ユーロ=103円20銭台に円が下落した。ユーロ圏財務相会合を控えて序盤はややユーロ安・円高方向に傾いた。ECB理事会で政策金利据え置きを決定したが反応は限定的だった。その後、ギリシャ連立与党が第2次支援条件の追加緊縮財政策の受け入れで合意したと伝わり、ユーロ買い戻しが優勢になった。

  10日の東京市場では、概ね1ユーロ=102円90銭台~103円20銭台で推移した。ユーロ買い戻しが一巡して、ややユーロ安・円高方向だった。10日の海外市場では1ユーロ=102円10銭台に円が上昇する場面があった。9日のユーロ圏財務相会合で、ギリシャ第2次支援に関して財政緊縮策のギリシャ議会承認などを求め、正式決定を15日に持ち越したため、リスク回避のユーロ売り・円買いが優勢になった。終盤は1ユーロ=102円50銭近辺だった。

  ユーロ圏債務危機問題に関する今週の動きを整理すると、主要国の国債利回りが低下して落ち着いた状況となり、ギリシャの債務交換交渉と第2次支援協議の進展に関心が集中した。合意が遅れていることに対して警戒感を強める場面もあったが、概ね合意に対する期待感が優勢だった。8日にはECB(欧州中央銀行)がギリシャ債務削減に協力するとの報道があり、9日にはギリシャ連立与党が第2次支援条件の追加財政緊縮策の受け入れで合意した。ただし9日のユーロ圏財務相会合で、ギリシャ第2次支援に関して財政緊縮策のギリシャ議会承認などを求め、正式決定を15日に持ち越したため、週末10日には警戒感を強めた。なお9日のECB理事会で政策金利据え置きを決定したが、反応は限定的だった。

  来週は15日のユーロ圏財務相会合で、ギリシャ第2次支援が正式決定されるかどうかが最大の焦点だろう。このため週前半は様子見ムードを強め、正式決定すればユーロ売り圧力が緩和されそうだ。ただし正式決定しても、次の焦点がポルトガル、スペイン、イタリアなどにシフトする可能性もあり、主要各国の国債入札や利回りの動向にも引き続き注意が必要だろう。

  当面の注目材料としては、13日の日本10~12月期GDP1次速報値、ギリシャ債務交換の最終案提示期限、オバマ米大統領2013会計年度予算教書発表、13日~14日の日銀金融政策決定会合、14日のEU・中国首脳会談、15日のユーロ圏10~12月期GDP速報値、ユーロ圏財務相会合などがあるだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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