【株式市況を検証】日経平均株価は終値ベースで一時9000円台を回復

2012年2月11日 16:56

印刷

記事提供元:日本インタビュ新聞社

【株式市場フラッシュ:2月6日~10日の週の日本株式市場】

■日経平均株価、TOPIXともに2週ぶりに上昇

  2月6日~10日の週の日本株式市場では、週間ベースで日経平均株価が前週末比115円24銭(1.31%)上昇、TOPIXが同18.38ポイント(2.42%)上昇し、いずれも週間ベースで2週ぶりに上昇した。

  8日には日経平均株価の終値が9015円59銭となり、9000円台を回復して昨年10月28日(9050円47銭)以来の水準となった。また9日にはTOPIXの終値が784.49となり、昨年8月8日(782.86)を上回る水準に回復した。

  ギリシャの債務交換交渉や第2次支援協議の合意に対する期待感、米雇用情勢の改善、米国株式市場の上昇に加えて、外国為替市場で対ドル、対ユーロともにやや円安方向に傾いたことを好感した。主要企業の12年3月期業績見通しでは悪材料出尽くし感が広がった。急ピッチの戻りに対する短期的な過熱感が警戒されたが、全体として堅調な展開となり地合い改善が意識された。

  ユーロ圏債務危機問題に関する今週の動きを整理すると、主要国の国債利回りが低下して落ち着いた状況となり、ギリシャの債務交換交渉と第2次支援協議の進展に関心が集中した。合意が遅れていることに対して警戒感を強める場面もあったが、概ね合意に対する期待感が優勢だった。8日にはECB(欧州中央銀行)がギリシャ債務削減に協力するとの報道があり、9日にはギリシャ連立与党が第2次支援条件の追加財政緊縮策の受け入れで合意した。ただし9日のユーロ圏財務相会合で、ギリシャ第2次支援に関して財政緊縮策のギリシャ議会承認などを求め、正式決定を15日に持ち越したため、週末10日には警戒感を強めた。なお9日のECB理事会で政策金利据え置きを決定したが、反応は限定的だった。

  米国の主要経済指標では雇用情勢の改善が目立った。3日には、米1月雇用統計で非農業部門雇用者数が前月比24.3万人増加となり、12月改定値の同20.3万人増加に比べて4.0万人増加し市場予想を上回った。1月の失業率は8.3%となり、12月の8.5%に比べて0.2ポイント低下し市場予想以上に改善した。米1月ISM非製造業景況指数は56.8となり、12月改定値の53.0に比べて上昇し市場予想も上回った。米1月製造業新規受注は前月比1.1%増加となり、12月改定値の同2.2%増加に比べて減速し市場予想を下回った。7日には、米12月消費者信用残高が193億ドルとなり、11月の204億ドルから減少したが市場予想を上回った。9日には、米新規失業保険申請件数が35.8万件となり、前週改定値の37.3万件に比べて1.5万件減少し市場予想以上に改善した。また4週移動平均は前週比1.1万件減少の36.625万件となり08年4月以来の低水準となった。10日には、米12月貿易収支が488億ドルの赤字となり、11月改定値の471億ドルの赤字に比べて悪化したが市場予想とほぼ同水準だった。米2月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値は72.5となり、1月の75.0に比べて悪化し市場予想も下回った。

  中国の主要経済指標に関しては、9日には、中国1月CPI(消費者物価指数)が前年同月比4.5%上昇となり、12月の同4.1%上昇を上回り市場予想も上回ったため、金融緩和期待が後退する場面もあった。しかし春節の時期が昨年と異なる影響を除けば、物価上昇は鎮静化しつつあるとの見方が優勢だった。10日には、中国1月貿易収支で輸出が前年同月比0.5%減少、輸入が同15.3%減少となり、いずれも市場予想を下回った。春節の時期が昨年と異なることの影響を考慮しても、輸入減少で景気減速が意識された。

  外国為替市場ではやや円安方向に傾いた。ドル・円相場は概ね1ドル=76円50銭近辺~77円80銭近辺で推移し、週後半にはドル高・円安方向に傾いた。前週末3日の米1月雇用統計で市場予想以上に雇用情勢が改善したことや、ギリシャ第2次支援協議の合意に対する期待感などでリスク回避の動きが後退した。日本の11年経常黒字が前年比43.9%減少したことも円売りにつながった。ユーロ・円相場は概ね1ユーロ=99円80銭台~103円20銭台で推移した。主要各国の国債利回りが低下したことに加えて、週後半にはギリシャ第2次支援協議の合意に対する期待感などでリスク回避の動きが後退し、ユーロ買い戻し・円売りが優勢になった。週末10日の海外市場で終盤は1ドル=77円60銭近辺、1ユーロ=102円50銭近辺だった。

  テクニカル面で見ると、日経平均株価(10日時点の8947円17銭)の移動平均線に対する乖離率は25日移動平均線(同8719円95銭)に対して2.60%、75日移動平均線(同8610円59銭)に対して3.90%となった。また200日移動平均線(同9057円26銭)に対してマイナス1.21%となり、当面のターゲットとなった。なお東証1部市場の騰落レシオ(25日移動平均)は10日時点で117.0%となっている。

  日経平均株価の終値で騰落状況を見ると、週初の6日は前日比97円27銭(1.10%)高と反発、7日は前日比11円68銭(0.13%)安と小幅反落、8日は前日比98円07銭(1.10%)高と反発、9日は前日比13円35銭(0.15%)安と小幅反落、10日は前日比55円07銭(0.61%)安と続落した。日中値幅は6日が32円38銭、7日が41円25銭、8日が58円81銭、9日が75円62銭、10日が69円80銭だった。

  日経平均株価の週末10日の終値は8947円17銭となり、前週末3日の終値8831円93銭に比べて115円24銭(1.31%)上昇した。週間ベースで2週ぶりに上昇した。取引時間中ベースの週間高値は9日の9018円49銭、週間安値は7日の8887円19銭、1週間の取引時間中の値幅は131円30銭だった。

  TOPIXの週間騰落状況を見ると、週末10日の終値は779.07となり、前週末3日の終値760.69に比べて18.38ポイント(2.42%)上昇した。週間ベースで2週ぶりに上昇した。取引時間中ベースの週間高値は10日の786.05、週間安値は6日の768.54だった。なお週末10日時点のNT倍率は11.48倍となり、前週末3日時点の11.61倍に比べて0.13ポイント低下した。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

【関連記事・情報】
【今日の言葉】『風邪流行は株高?』=インフルエンザ受診者は211万人(2012/02/11)
【注目のリリース】あかつきFGが「日本証券新聞」などのドリームバイザーHLDにTOB(2012/02/11)
犬丸正寛の相場格言~データでは説明できない先人の知恵をもとに株式投資で大成功~(2012/02/02)
株式評論家・浅妻昭治のマーケットセンサー(銘柄発掘の王道を伝授・注目株厳選)メルマガがスタート!登録受付中(2012/02/02)

※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。

関連記事