ヤマハ、原付バイク約26万6千台をリコール ブレーキ操作ができなくなる恐れ

2011年10月18日 22:46

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 ヤマハ発動機は18日、ブレーキケーブルの不具合により「ブレーキ操作ができなくなるおそれがある」(同社)との理由で、「ジョグ」など2006年3月8日~2011年10月4日までに生産された原付バイク合計9車種26万5,919台のリコール(回収・無償修理)を国土交通省に届け出た。

 同社によると、不具合が判明した箇所は制動装置(ブレーキケーブル)で、前輪制動装置において、ブレーキケーブル周りの防水構造が不適切なため、雨天時の走行等により、当該ケーブル内部に水が浸入することがあるという。そのため、外気温が氷点下の環境において当該ケーブル下部のダストブーツ内に滞留した水が凍結し、最悪の場合、ブレーキ操作ができなくなるおそれがあるという。

 また、後輪制動装置においても、ブレーキケーブル周りの防水構造が不適切なため、雨天時の走行等により、当該ケーブル内部に水が浸入することがあり、そのため、外気温が氷点下の環境において当該ケーブル内部に滞留した水が凍結し、最悪の場合、ブレーキ操作ができなくなるおそれがあるという。

 改善措置として、前輪制動装置においては、全車両、前輪制動用ブレーキケーブル下部のダストブーツを対策品に交換するとともに、前輪用ブレーキレバーにカバーレバーが装着されている機種は、カバーレバーの取付け状況を点検して外れているものは修正し、カバーレバーが装着されていない機種はカバーレバーを追加するという。

 また、後輪制動装置においては、全車両、後輪制動用ブレーキケーブル内をエアブローして水分を除去し、後輪用ブレーキレバーにカバーレバーを追加するという。

 さらに、同社は、2006年3月8日~2011年10月4日までに生産された原付バイク合計10車種27万3,262台についても、加速装置(スロットルケーブル)の不具合で「エンジンの回転が下がらなくなるおそれがある」(同社)とし、国土交通省に改善対策を届け出た。同社は、改善対策対象車を保有している顧客に対し、「購入した販売店で無償修理を実施する」としている。

 同社によると、加速装置において、スロットルケーブル周りの防水構造が不適切なため、雨天時の走行等により、当該ケーブル内部に水が浸入することがある。そのため、外気温が氷点下の環境において当該ケーブル内部に滞留した水が凍結し、最悪の場合、走行中にアクセルグリップが戻らなくなり、エンジンの回転が下がらなくなるおそれがあるという。

 改善対策として、全車両、スイッチケース下部のケーブルを固定するステイに補強板を追加するとともに、当該ケーブルの防水ブーツの両端にクリップを追加し、さらに当該ケースの締付けボルトを車両前方側に隙間を生じない締付け順に変更する。また、スロットルケーブル内の水分を除去するため、ケーブル内のエアブローを行うが、ビーノモルフェXC50Hは構造的にエアブローができないため、ケーブルを新品と交換するという。

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