地上波デジタル放送用LSIをOKIセミコンダクタが量産開始

2011年9月28日 11:00

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記事提供元:エコノミックニュース

 近年は、自宅でテレビを見るというだけではなく、カーナビなどの車載機器や、携帯電話をはじめとするモバイル機器で、移動中でもデジタル放送を視聴するという人が増えている。これらの機器は移動しながら受信を行うため、様々な伝搬環境による変動によって安定した受信を行うことが難しく、そのため、フルセグメント放送の移動受信においては、複数のアンテナで受信感度を上げ、信号の品質を上げるためダイバーシティ受信という方式が採用されているのだ。

 例えば、車載機器などでは、4ダイバーシティ方式が採用されることがあるが、消費電力が高く、放熱設計の面からもセットの小型化が厳しいというように、PND(ポータブルナビゲーションシステム)やポータブルテレビなどのモバイル機器においては、消費電力、小型化の面でいくつかの課題があった。

 そんな中、OKIセミコンダクタが、2ダイバーシティ受信で低消費電力・小型化を図った地上デジタル放送用OFDM復調・誤り訂正LSI復調・誤り訂正LSI「ML7137」を開発したと発表。「ML7137」の特長としては、2本のアンテナによる受信信号を効果的に合成するダイバーシティ方式を採用し、移動受信に適した信号処理方式を搭載。これにより、受信エリアの拡大及び移動受信性能の向上を提供する。また、消費電力は業界最高水準の130mW、パッケージは8mm×8mmのTFBGAパッケージを採用し、消費電力化・小型化を実現。さらに、同じ基板や周囲の部品から発せられるスプリアス、伝搬環境におけるノイズキャンセル機能を搭載し、セット開発時に問題となるスプリアス対策が容易になる。

 尚、同製品は、既にサンプル出荷(サンプル価格:2,000円/個)を開始しており、2011年12月より月産10万個の体制で量産出荷を開始する予定だ。

※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。

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