帝人化成、放射線で発光するプラスチック:放射線測定器向けに製品化

2011年9月7日 12:40

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帝人化成らが開発した放射線が当たると発光するプラスチック「シンチレックス」の発光試験中の写真。

帝人化成らが開発した放射線が当たると発光するプラスチック「シンチレックス」の発光試験中の写真。[写真拡大]

 帝人化成は7日、放射線が当たると発光するプラスチック「シンチレックス」の販売を9月下旬から開始すると発表した。放射線測定器に合わせて加工したものを製品化し、大学や研究機関、放射線測定器や医療機器メーカーなどに販売する計画。

 「シンチレックス」は京都大学原子炉実験所、放射線医学総合研究所と共同で開発した独自の分子構造を持つ特殊なポリエステル系樹脂。放射線が当たると青色に発光する性質を持ち、放射線測定器の基幹部品として機器に組み込むことで放射線が測定できる。

 同社によると、これまで放射線が当たると発光する物質(シンチレータ)には、傾向剤を混ぜた特殊な樹脂などが使用されていたが、価格が高いことがネックだった。これに対して、「シンチレックス」は、低価格ながら発光量、屈折率、密度などの性能がいずれも従来素材を超えており、成型加工もしやすいため、放射線測定器に使用するセンサー部品のコストを従来比10%以下に抑えられる可能性があるという。

 将来的には、原子力発電所、核燃料加工施設、病院などの放射線事業所での放射線管理や、空港・港湾設備・駅などでの違法放射線物質検査、航空・宇宙開発機器への活用など、様々な分野への市場展開を目指すという。

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