ダイハツ、「30km/L」を実現する低燃費技術を開発 新型軽自動車に搭載

2011年7月19日 19:27

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 ダイハツ工業は19日、今後の「低燃費」・「低価格」・「省資源」なクルマづくりの核となる、低燃費技術「e:Sテクノロジー(Energy Saving Technology)」を開発したと発表した。エネルギー効率を最大化し、約40%の燃費向上を実現。今年9月発売予定の新型低燃費車に同技術を搭載し、ガソリン車唯一となるJC08モードでガソリン1リットル「30km」の燃費性能を達成する見込み。新型軽自動車は低燃費、省資源、かつ入口価格80万円を切る設定で、誰もが乗れる『第3のエコカー』として提案する。

 「e:Sテクノロジー」は、「燃焼効率向上とエネルギーロス低減を極めた新エンジン」、「動力伝達効率をさらに向上したCVT」と特徴とする。圧縮比の向上やインジェクター噴霧微粒化など8項目にわたる改善を積み重ね、燃焼効率を向上させた。また、高効率オイルポンプの採用や、CVT制御圧の低圧化など8項目にわたる改善を積み重ね、動力伝達効率を向上させた。さらに、動力伝達効率の向上、走行抵抗の低減、車両の軽量化などを踏まえた、変速ギア比の最適化(ハイギア化)により、エンジン負荷を低減させた。

 また、車両は、シェルボディの骨格合理化や、新構造シート骨格の採用、インストルメントパネル・ドアトリムなどの樹脂部品の薄肉化など、内装部品ひとつひとつの徹底した見直しなどにより、約60kgの軽量化を実現。さらに、空気抵抗や転がり抵抗などの走行抵抗を低減した。

 また、バンパーの開口部やエアクリーナーダクトの最適配置、さらには導風経路を改善することで、エンジンへの吸気温を低減する熱マネジメントを採用。吸気の体積膨張による吸気量の減少を抑えて、エンジンの燃焼効率を向上させた。

 エネルギーマネジメントの面では、停車前アイドリングストップ機能付の新「eco-IDLE」や、減速時の運動エネルギーを最大限活用する「エコ発電制御(減速エネルギー回生機能付)」を特徴とする。

 CVT車としては世界で初めて、停車前アイドリングストップ機能を採用。ブレーキをかけ、車速が7km/時以下になるとエンジンを停止し、アイドリングストップ時間を増加することで、さらに燃費を向上させた。

 エコ発電制御については、減速時の走行する車両の運動エネルギーをオルタネーターが電気エネルギーに変換してバッテリーに回生する機能を進化。減速時のオルタネーターの発電量を増加させるとともに、バッテリーの受入性を向上させ蓄電量を増加することで、通常・加速走行時のオルタネーターによる発電を大幅に抑制し、エンジンの負荷を低減した。

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