富士重の中期経営計画 2015年度に世界販売台数約4割増の90万台を目指す

2011年7月6日 17:25

印刷

 富士重工業は6日、コア事業である自動車部門「スバル」が、今後10年以内に年間100万台を越える販売を達成するという成長目標を掲げ、その基盤固めとなる2011年度から2015年度までの5年間を対象とした中期経営計画「Motion-Ⅴ(モーションファイブ)」を策定したと発表した。

 販売面では米国と中国を重点市場と定め、2015年度に世界販売台数約4割増の90万台を目指す。90万台の地域別内訳は、北米38万台、中国18万台、日本16万台、欧州6万台、豪州5万台、その他7万台となっている。

 また、2015年度連結営業利益1,200億円(営業利益率 6%レベル、想定レート \90/US$、\120/EURO、現行会計制度に基づく)を目指すほか、試験研究費総額2,500億円、設備投資総額3,300億円、減価償却費総額3,100億円(各金額は5年間の合計)の数値目標を掲げた。

 なお、同中期経営計画の初年度となる2012年3月期通期業績は、世界販売台数が前年同期比3.6%減の63万3,000台、連結売上高1兆4,800億円(同6.4%減)、営業利益300億円(同64.3%減)、経常利益250億円(同69.6%減)、当期純利益350億円(同30.4%減)を計画している。想定為替レートは81円/US$ 、115円/EUROとした。

 中期経営計画の具体的な内容は、ブランド戦略として、スバルが顧客に提供する価値を「安心と愉しさ」と定義し、その価値を高め、ファン層の拡大を目指す。商品面においては、スバルの強みである安全性能や走行性能、社会のニーズが高い環境性能の向上を図る。特に環境面では、全車系で環境対応パワーユニットへ刷新し、燃費性能を約30%向上させる。また、新型車3車種の投入、2013年のハイブリッド車の発売、先進運転支援システム「EyeSight」搭載車の拡大など、商品力の向上と商品ラインナップの拡充を実現する。新商品は毎年投入する計画。

 販売戦略として、米国と中国を重点市場と定め、経営資源を投下して大幅な拡販を図る。さらに、生産能力、為替対応力向上のため、中国現地生産化を実現するほか、「軽自動車生産工場を乗用車生産工場へ刷新する (本工場)」、「環境性能に優れた新型パワーユニットの生産を拡大する(大泉工場)」、「マレーシアでのKD生産を実現し、FTAを活用して成長市場へアプローチする」など、生産体制の構築に努める。

 トヨタ自動車との提携効果についても追求していく。開発面では、FRスポーツを共同開発し、2012年春に市場導入する。OEM面では、軽自動車について、2012年春に全車種をダイハツ製OEM車に切り替えるほか、コンパクトカーについては、トヨタ製OEM車の商品力強化に関して検討を進める方針。生産面では、北米でカムリの受託生産を継続する。

関連記事