ルネサス那珂工場 生産再開6月1日からに前倒し

2011年5月11日 20:01

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 大手半導体メーカーのルネサスエレクトロニクスは11日、東日本大震災の影響により現在稼動を停止している那珂工場(茨城県ひたちなか市)の操業を、6月1日から再開すると発表した。4月22日の発表では、「6月15日から」としていたが、試験生産が順調に進んだことを受け、2週間前倒しする。

 6月1日から生産再開するのは、200mm生産ライン。300mm生産ラインについても、製造設備の修理などに一定の目処がついたことから、当初予定の7月再開を大幅に前倒しし、6月6日から再開する予定。また、生産再開の前倒しにより、ルネサスグループ内の他工場と、ファウンドリ(半導体チップの製造を専門に行う企業)における代替生産による供給を合わせ、7月下旬までに、被災前の那珂工場における供給レベルを回復できる見通し。

 なお、那珂工場での生産再開品は8月末以降順次、製品として供給を開始する予定。4月以降供給を開始している代替生産での供給も含め、10月末までに被災前の那珂工場供給レベルに相当する製品の供給が可能となる見込み。

 同社は自動車向け車載マイコンの世界最大手。震災の影響で自動車のサプライチェーン(供給体制)が崩れていたが、那珂工場の操業再開に伴い、今後各自動車メーカーの生産拡大が期待される。

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