米TI、ナショナル・セミコンダクターを65億ドルで買収:アナログ半導体を強化

2011年4月5日 12:42

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 米半導体大手テキサス・インスツルメンツ(TI)は4日、同業の米ナショナル・セミコンダクターを約65億ドル(約5,500億円)で買収すると発表した。両社はアナログ半導体の大手で、買収によって同分野の強化を図る。

 TIはナショナル・セミコンダクターの普通株1株あたり25ドルを支払う。買収の最終合意には米規制当局やナショナルの株主の承認を経て6‐9カ月かかる見込み。

 TIによると、2010年のアナログ半導体の市場規模は420億ドルで、TIの売上高は60億ドル、シェアは14パーセント。ナショナル セミコンダクターの2010年の売り上げは16億ドルで、シェアは3パーセントだった。買収成立後、ナショナルセミコンダクターはTIのアナログ事業部門の1つとなり、アナログ製品の売上はTI全体の総売上のほぼ50%になるという。

 TIのリッチ・テンプルトン社長会長兼最高経営責任者(CEO)は声明で、「ナショナル セミコンダクターはすばらしい開発チームを持ち、両社の製品の組み合わせによって、他社にはない広範で多種多様な製品群を顧客に提供できる」と述べている。

 米調査会社ガートナーによると、2010年の世界半導体市場でTIの推定売上高は123億5,600万ドルと、半導体メーカー中で第4位(同社資料)。今回の買収によって、売上高123億7,600億円と僅差で第3位だった東芝を上回る可能性がある。

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