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シニアアナリストの水田雅展氏に2011年の相場を聞く=犬丸正寛
今年は、「ウサギ年」です。どのような相場イメージをお持ちですか。【水田氏】「ウサギ」ということで、みなさんは、跳ねるという印象だろうと思います。私は、ことしは、ウサギでなく、「カメ型」のジリ高相場ではないかと思っています。[写真拡大]
『2011年の相場は新興国から先進国へ』
■解散総選挙あれば日経平均1万5000円も期待、内需株一斉見直し
――今年は、「ウサギ年」です。どのような相場イメージをお持ちですか。
【水田氏】 「ウサギ」ということで、みなさんは、跳ねるという印象だろうと思います。私は、ことしは、ウサギでなく、「カメ型」のジリ高相場ではないかと思っています。
――年初のスタートもゆっくりですか。
【水田氏】 そうですね。足元の円高が、やはり気になります。1ドル・80円台で止まるようなら、相場への影響は、さほど大きくないと思います。しかし、仮に、70円台半ばまで円高が進むようなら日経平均の9000円近くも予想されます。いずれにしても、1~3月は円相場の動向を見極める動きだろうと思います。様子見ということでカメ型のおとなしいスタートということです。
――きっかけになる材料としては、どのようなことを予想されますか。
【水田氏】 海外ではアメリカの景気がどのていど上向いてくるか。国内では解散総選挙があるかどうか。この2つに強い関心を持っています。
――アメリカ景気に期待できますか。
【水田氏】 私は期待しています。指摘されているとおり、中間選挙後の翌年のアメリカ景気はかなり良くなると思います。景気刺激策を打ってきたことの効果はあるとみています。次の本選挙に向けても、とくに失業対策など景気対策に力が入ると思います。
――アメリカ景気の回復によって、何が起きますか。
【水田氏】 昨年までの新興国に変わって、「先進国」がクローズアップされると思います。とくに、今年、新興国と先進国を見る場合、「変化率」の物差しで見ることが大切です。新興国は、これからも伸びることは期待できます。しかし、伸び率が、たとえば、これまでの10%だったものが5~6%へ鈍化する。一方、先進国は、これまで1~2%の伸び率だったものが4~5%になってくるという変化の違いです。そうなると、新興国に流れていた世界の資金は先進国へ戻ることが予想されます。したがって、日本の輸出関連株を見る場合、これまでの新興国関連より、北米関連に妙味が強まると思います。
――日本の政局は揺れています。衆議院の解散壮挙はありますか。
【水田氏】 分かりません。しかし、今の民主党政権は支持率低下など、ほころびが目立ちます。バラマキと増税がセットということでは国民は納得しないと思います。(解散の)可能性ということで言えば、あり得るでしょう。もちろん、解散があれば相場にはプラスです。その場合は日経平均1万5000円も考えられます。
■北米輸出関連に妙味
――注目されている銘柄は。
【水田氏】 キーワードで言えば、「グローバル企業」、「北米」「資源」、「エネルギー」、「ネット」などだろうと思います。グローバルで展開する資源、エネルギー関連で三菱商事 <8058> 、双日 <2768> などの商社株は注目できます。北米関連ではDIC <4631> に注目できるでしょう。仮に、解散総選挙があれば、国内活性化という観点で内需株が一斉に見直されると思います。とくにネット関連は注目でしょう。
――ありがとうございました。(聞き手=犬丸正寛)(執筆者:犬丸正寛 株式評論家・日本インタビュ新聞社代表)
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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。
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