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プラマテルズは兜町平和ビルで第2四半期決算説明会を開催
■10月18日に第2四半期の上方修正、10月25日に通期業績予想の上方修正を発表
合成樹脂の専門商社プラマテルズ <2714> は、29日に兜町平和ビルで、今11年3月期第2四半期決算説明会を行った。
10月18日に第2四半期の上方修正、10月25日に通期業績予想の上方修正を発表しているように、今期の業績は順調に推移しているといえる。
今期より代表取締役社長に就任した井上正博氏は、第2四半期連結決算の概要、通期の計画、今後の基本戦略について語った。
同社は、連結子会社8社、と持分法適用関連会社1社を持っている。その内訳は、国内2社、中国4社、香港1社、シンガポール1社、ベトナムに持分法適用会社1社となっている。
主たる事業は、合成樹脂原料・製品・関連機械・シートの販売、及び合成樹脂フィルターの製造・販売を行なっている。
国内の子会社は、富士松、フィルタレン。富士松は、任天堂DS向けゲーム部材やアクセサリー周辺機器部材、化粧品等のクリアケース等を販売している。フィルタレンは、インフルエンザ検査用のフィルター、花粉症薬容器用フィルターなどの製造・販売を行なっている。
中国の子会社は、大連、天津、上海、深?にあり、香港及びシンガポールの子会社も含め合成樹脂原料・製品等を販売。ベトナムの持分法適用会社は、東洋インキ製造株式会社との合弁のコンパウンド工場。
■第2四半期連結業績は大幅増収増益
今第2四半期連結業績は、売上高274億300万円(前年同期比31.1%増)、営業利益4億1800万円(同88.1%増)、経常利益4億500万円(同2.15倍)、純利益2億3300万円(同86.7%増)と大幅増収増益となった。
大幅増収の主な要因は、香港、上海、大連の好調な売上による。そのため、海外比率は、前期の16.6%から24.1%に伸長した。
利益面については、収益の回復、継続的なコスト削減の取組を行い販管比率が低下したことにより、大幅増益となった。
取扱商材別売上高は、エンジニアリング系樹脂105億7000万円(同38億7600万円増)、スチレン系樹脂60億9400万円(同12億3300万円増)、オレフィン系樹脂24億1900万円(同2億8700万円増)、塩化ビニール系材料16億8700万円(同4億8200万円増)、その他の樹脂9億9400万円(同8800万円減)、製品50億4600万円(同5億6700万円増)、合成樹脂関連機械・シート5億9100万円(同1億4300万円増)とその他の樹脂だけが減収となっている。そのほかの商材は全て増収。
同社の取扱合成樹脂原材料の特性は、高付加価値商材が合成樹脂売上高の75%超を占める。高付加価値商材であるエンジニアリング系樹脂は全売上高の48.6%を占める。もう一方の高付加価値商材であるスチレン系樹脂は28.0%、汎用商材であるオレフィン系樹脂11.1%、塩化ビニール系材料7.8%、その他の樹脂4.6%となっている。従って、合成樹脂の専門商社としては利益率の高い商社といえる。
■同社の業績は、ナフサの価格に左右されず、為替の変動の影響も限定
主な販売先の構成比は、OA・事務機器約39%、家電・電子約16%、自動車約6%、医療器約6%、建材約8%、容器・化粧品約2%、玩具・その他約23%。
合成樹脂の原材料であるナフサの価格と売上総利益率の過去3年間の推移を見ると、08年3月期6万4000円(1kl)、6.1%、09年3月期2万9000円(同)、6.0%、10年3月期4万6000円(同)、6.0%、と売上総利益率は6.0%とほとんど変わらない。従って、同社の業績は、ナフサの価格に左右されないといえる。
また、為替の変動の業績に及ぼす影響も限定的といえる。というのは、同社は、月当たり、円とドル建てで各50万ドル程度仕入れて、販売していることで、為替リスクを相殺している。同時期に、円で仕入れドル建てで販売する一方で、ドルで仕入れて円建てで販売していることから、為替リスクは軽微といえる。
原料価格、為替共に、業績に対する影響は大きくないことから業績は安定している。
■通期連結業績予想は2ケタの増収増益を見込む
バランスシートを見ると、流動負債は、ビジネスが活発化したことで、買掛債務が増加し156億1400万円(前期末比6億2200万円増)と増加している。固定負債は、長期借入金の返済と短期への振替により、8億9900万円(同2億4600万円減)と減少。純資産は58億1500万円(同7600万円増)。自己資本比率は、25.8%となり、対前期比0.2ポイントダウンしているが、商社として25%超は健全な財務体質といえる。
キャッシュ・フローは営業キャッシュ・フロー3億8600万円、投資キャッシュ・フロー△4800万円、財務キャッシュ・フロー△3億4000万円となり、現金及び現金同等物は18億3500万円(前期末比2700万円減)となっている。
通期連結業績予想は、売上高560億円(前期比18.8%増)、営業利益8億4000万円(同26.6%増)、経常利益8億円(同28.7%増)、純利益4億8000万円(同23.4%増)と2ケタの増収増益を見込む。
■日系企業は海外で生産体制をより強化
今後の基本戦略について、現在の市場状況の説明から始まった。
同社の顧客企業は、アジア、中国などの新興市場での拡販、新しい事業分野の開拓、省エネ・省資源の推進といったテーマを持って動いている。そのために、技術、コスト、消費地を念頭に置いた最も合理的な世界最適生産体制の構築が必要となってくる。
エンジニアリング樹脂市場については、今後国内は概ね横ばいで推移すると予想される一方で、海外は年平均5%程度の成長を継続すると見ている。そのため、日系企業の海外での生産体制がより強化されると判断している。
同社は、これまでに構築した合成樹脂原料に関するきわめて高い専門性、商社としてのネットワークを駆使しメーカーを巻き込んだ卓越した提案力、また、顧客とのコミュニケーションを高め、少量多品種即納体制の構築といったコア・コンピタンス(他社には真似の出来ない核となる能力)を有し、最もQCD(質、コスト、物流)に厳しい日本の優良企業の要求に対応できる企業として活動している。
■深せん業務サービスセンターが、中国現地通貨・人民元での取引が可能な8号令販社の認可を得る
既に、アジア進出を進める日系企業への供給体制を構築し、更に体制を強化している。最近の話題としては、09年8月に大連に設立した子会社が昨年11月より稼働、今期より本格稼動。また、中国市場での販路拡大に向けて、深せん業務サービスセンターを09年1月に設立しているが、今年9月に、中国現地通貨・人民元での取引が可能な8号令販社の認可が下りている。今後は、現地進出日系企業及びその外注先との取引が活発化するものと予想される。
海外売上高の推移を見ると、08年3月期84億1900万円、09年3月期83億9200万円、10年3月期90億9300万円となっている。09年3月期が減少したのは、リーマンショックの影響であり、実状は拡大傾向にある。同社では今期も、より一層海外売上高が拡大し、140億円を目標としている。12年3月期以降は、200億円を目指した右肩上がりの売上拡大が予想される。
拠点別の今期売上予想は、日本420億円(前期380億円)、海外140億円(同90億円)と海外での売上が急拡大すると見ている。海外の主な拠点の今期売上予想は、大連15億円(同2億円)、上海30億円(同20億円)、香港78億円(同50億円)と大幅増収を見込む。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。
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