フィンランド若手デザイナー10組による合同ファッションショー - 「Naytos 10」②

2010年11月18日 14:21

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記事提供元:ファッションプレス

 フィンランド若手デザイナー10組による合同ファッションショー「Naytos 10」の残り5組のデザイナーたちのコレクションをご紹介。


 ※前半の5組のデザイナーのルックはこちらから
→「フィンランド若手デザイナー10組による合同ファッションショー - 「Naytos 10」①


シル・ユントゥネン(Siru Juntunen)


 シル・ユントゥネンは、アールト大学の芸術デザイン大学ファッションデザイン学科3年生。パリのメンズウェアデザイナー、トーマス・エンゲル・ハート(Thomas Engel Hart)のもとで2010年S/Sコレクションのインターンを経験。




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 今回のコレクションは、同時性のアイデアよってつくられた音楽的な雰囲気と、シュールレアリズムの写真と、無と混沌の感情の対比によって構想されている。インスピレーションの中心は、織りとニットの細かい構造によって表現。服のシルエットとフォルムが、静かな無と混沌を表現している。


 素材としては、織りはリサイクルレザーとフェイクレザーのストラップから構成。ニットはウールと、伸縮性のあるウール、そしてバンブー(竹糸)から成っている。ウールとデニムは日本製のもの、コットンクレープはフィンランド製のものを使用している。


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ソフィア・ヤルネフェルト(Sofia Jarnefelt)


 ソフィア・ヤルネフェルトは、1982年フィンランド生まれ。2008年12月にファッションの学士号を修得して、現在、アールト大学の芸術デザイン大学で修士号を終えるところ。2009年には、コペンハーゲンでデザイナーズ・ネストコンテストで入賞した。




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 ソフィア・ヤルネフェルトは、今までのコレクションで、恥、プライド、非難、寛大さといったアイデアや、上流社会内の無秩序、といったものを自分のルーツとの難解で矛盾する関係の一部として扱ってきた。彼女の最新のコレクションで、自分のルーツであるオーランド島に戻る。そのコレクションの服は、都会化された周りの環境におされて人口が減ってきている社会の歴史へのトリビュート。


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ユリア・マンニスト(Julia Mannisto)


 ユリア・マンニストはアールト大学ファッション学科3年生。そして現在、パリのベルンハルド・ウィルヘルム (Bernhard Willhelm)のもとでメンズウェアの仕事をしている。




ユリア・マンニスト(Julia Mannisto)画像1 ユリア・マンニスト(Julia Mannisto)画像2


 このミニコレクションはアラブの装飾、金属、スコットランドのタータンチェック、猫、子猫などがインスピレーション。コレクションには、男性用のスーツとニットも登場。素材は、とてもベーシックなコットン、シルク、リネンなど。自分で全てのプリントと色を作ったとのこと。


 デザイナーのユリア・マンニストは「私のこのコレクションのつくり方はたいへん表現的です。これらの服は、わたしにとっては、スケッチのようなもので、発想を得た時の情熱を私自身に思い出させてくれるようなものを作りたいと考えました。」と語る。そこからユリアは、いろいろなスタイルを混ぜて組み合わせたいという考えから、遊び好きの子猫が年取ったりっぱなライオンに会うというストーリーを作り上げた。


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サーラ・レポコルピ(Saara Lepokorpi)


 サーラ・レポコルピは、アールト大学の卒業生。2009年12月にコペンハーゲンで行われた北欧のデザインコンテストで入賞した。このコンテストには、20人のプロの若いデザイナーが招待され、新しい持続可能性のある素材で作った作品が展示された。




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 今回のコレクションは、手作業で作られ手描きされた立体的な表面から出来ている。素材は、ミルコフィル・シルク混合ジャージー、トナカイの皮、動物の皮革、ほとんど手染めの様々なウール、特殊加工されたコットンマットの切れはしなど。インスピレーションは、とても混沌としたものやそれとは逆に整然としたものといった科学的、天文学的概念で、宇宙写真を転写している。


 サーラ・レポコルピのコレクションはハンドクラフトと量産されたウィメンズウェアの組み合わる手法を用いる。デイリーウェアからユニークな少数のアイテムまで多岐にわたる。そして、伝統的な手工芸の技法と現代的な工夫を凝らしたパターンメイキングの両方を使う。彼女の作品は、ファッションの中でよく見られる、クラシックと現代、誇張と控えめ、図形的と生物的といった並列を変えようとする試み。


 サーラ・レポコルピは、2011年の芸術活動のためにフィンランド政府から奨学金を授与され、自分自身のブランドをスタートする。


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アリサ・ナルヴァネン & エリナ・ペルトネン(Alisa Narvanen & Elina Peltonen)


 アリサ・ナルヴァネンは、アールト大学の芸術デザイン大学在学中で、12月に学士号を修得する予定。エリナ・ペルトネンは、同大学の同学科から2011年5月に修士号を修得する予定。アリサは、ドイツ・フランスのブランドであるブレス(Bless)もとでベルリンで研修、エリナは、アントワープのデザイナー、ステファン・シュナイダー(Stephan Schneider)のもとで研修した。


 アリサ・ナルヴァネンとエリナ・ペルトネンが自分たちの作品が類似していることに初めて気が付いたのは、2009年の春、お互いに気付かずに同じようなトラウザーを縫っていることがわかったとき。それ以来、二人は、コレクションを一緒に作るようになる。実際、二人は間もなく、同じ美的感覚を深く共有していることに気が付きく。それから共同活動は二人にとって非常に大切なリソースになり、その結果は、静かで力強く、少しひねったエレガンスとして現われている。そしてそのスタイルは、二人のバックグラウンドであるフィンランド、カレリア地方の文化背景の現代解釈を思わせるもの。




アリサ・ナルヴァネン & エリナ・ペルトネン(Alisa Narvanen & Elina Peltonen)画像1 アリサ・ナルヴァネン & エリナ・ペルトネン(Alisa Narvanen & Elina Peltonen)画像2


 アリサとエリナのコレクションは、ユーモアと真剣さ、はかなさと粗さ、美しさと不器用さといったものが、分かれることなく溶けあってお互いを強調しあう雰囲気につつまれている。伝統的に年齢や性別を決めるために使われてきた素材やディテールを巧くミックス。服の多様な着方、柔らかいシルエット、着心地のよさが、使う人に解釈の余地を残すようにデザインされている。服の明確な特徴が自由であり、服を着る人の個性によっていちばん独創的な形をとることができるということが、デザイナーにとって大切なポイント。


 このコレクションでアリサとエリナは、20世紀初めフィンランドで起こった戦後の恐慌時の必要性から生まれた創造力や才気から、特にインスピレーションを得た。マクラメを再解釈して、シンプルな布切れや紐を使うことにより、ユニークで装飾的な表情を作り出した。


※本記事はファッションプレスニュースから配信されたものです。ファッションプレスでは、ブランド、デザイナー情報、歴史などファッション業界の情報をお届けしています。

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