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国民のゴミに対する意識変化と現状
約5,200万トン、現在国内で年間に排出されるゴミの量だ。この計算だと1日に国民1人が出すゴミの量は約1kgとなる。これまで一般廃棄物は主に市町村単位で回収されており、その負担が大きく、ごみ処理に関する施策の転換の必要性に迫られたことで、近年は有料化が推し進められている。これは処理の一部を地域住民が負担することで、ごみの排出量を図る制度。ごみの排出量に応じた負担の公平化が推進され、住民の意識改革につながることから、一般廃棄物の発生を抑えるには有効な手段と考えられている。
また、家庭から出るごみの約60%(容積比)を容器と包装が占めており、うち飲料容器は約6%。こうした背景から、容器包装リサイクル法が1997年よりスタートした。この法律は、作る人・売る人・使う人・回収する人それぞれが自覚と責任をもってリサイクルを進めることを基本理念としており、10年以上たった現在は、少しずつだが浸透してきている。
そのなかでも飲料メーカー各社のリサイクル率は年々上がっており、2009年度には、スチール缶89.1%、アルミ缶93.4%、ペットボトルは84.9%(推計値)を達成しており、高いレベルにまで到達してきている。(スチール缶リサイクル協会、アルミ缶リサイクル協会、ペットボトルリサイクル推進協議会のデータ調べ)
しかし街に点在するゴミのなかで空き缶やペットボトルの存在が相変わらず目立つのも事実で、飲んだ後のポイ捨てがなかなか減らないのが現状だ。社団法人食品容器環境美化協会の調査によると、首都圏、近畿圏の「散乱ごみ観測地点・90ヵ所」における継続的な定点調査の結果、100m当りの1週間のごみ発生量は市街地が多く、また飲料容器は落ちているごみ全体の2~8%を占めており、第4位となっている。
現在、大阪市では市民による清掃活動「クリーンおおさか2010」が11月1日から7日の期間、開催されている。同イベントは、大阪市民や事業者が道路や公園、駅前広場などの公共スペースの中から清掃場所や清掃日時を選び実施する大阪市一斉の大掃除。98年に始まった清掃活動は今回で13回目を数え、昨年は2,777団体、200,635名もの人々が参加したという。今回も7日までに参加市民21万人を見込んでいる。
同イベントには近畿日本鉄道 <9041> 、朝日建物管理をはじめ数多くの在阪企業も参加しており、大阪市に本社を置くダイドードリンコ <2590> も飲料メーカーとしての使命の1つとしてこのイベントの趣旨に賛同し、2004年より7回目の参加を果たしている。飲料水を売る自動販売機の多くはアウトドアの環境にあり、脇にクリーンボックスを設置している。しかし実際は、クリーンボックスを利用されていないケースもあり、植え込みや歩道にポイ捨てされた空き缶やペットボトルなど、少しの時間で多くのゴミが集まったという。
ダイドードリンコは今後も小さな社会貢献だが、飲料メーカーとしての使命を考え、少しでも空き容器のポイ捨てがなくなればと来年以降も継続しての参加を考えている。
(編集担当:宮園奈美)
※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
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