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アイドルと学業の関係を考える
ご当地アイドル愛の葉Girlsの元メンバーの自殺に関しては、様々な報道や検証がなされており、ここで後追いの記事を書いても仕方がないと思うのだが、記者として、どうしても気になったことがあるので、少し違う角度から、とある問題を掘り下げていきたいと思う。
【こちらも】アイドルに学歴は必要か?
それは、学業とアイドル活動の両立の難しさである。
今回、自殺したメンバーは、16歳。学業とアイドル活動の両立に苦しみ、定時制の学校から全日制の学校への転校を検討していたという。土日にイベントが多いアイドルにとって、登校日が週末に設定されていることが多い通信制の学校は不向きという判断だったらしい。
これに関しては、具体的な学校名が出ているわけではないので、これ以上のことは明言できないが、学業とアイドル活動の両立に悩むアイドルは非常に多いのは確かだ。東京や大阪などの大都市では、それこそ「芸能科」など、そういう未成年の芸能活動をサポートできるようにカリキュラムが設定されている学校が複数あるが、地方アイドルなどの場合、そういう環境は望むべくもない。
また、こうした特別な学校は、ほとんどが私立であり、事務所の金銭的サポートや親が裕福でないと選択しづらい状況でもある。中学生、高校生のアイドルは、本当にここのバランスをしっかり考えないといけないということだろう。
AKBでも、かつて小嶋陽菜が、「追試の為、劇場公演を欠席」というアナウンスがあり、今でも伝説的に語り継がれているが、基本的に学業を優先させるというスタンスを取っている。乃木坂でも、生田絵梨花を試験に間に合わせるために、ロケ地からなんとヘリをチャーターして帰京させるようなことをしている。
それでも、学業優先を理由にアイドル活動を卒業するメンバーはいるわけで、最近では、秀才で知られる欅坂46の米谷奈々未が卒業を発表しているのだ。
アイドル活動と学業……アイドルとして活動していて、しかも成功しているのだから、学業優先なんておかしい。平然として、こういうことをいうファンは少なくない。
しかし、ファンが無責任に思うほど、彼女たちはフワフワして生きているわけではなく、アイドルとして活動できる期間がそう長くないことを自覚しており、人生そのものを考えているのである。
AKBや坂道のような、大手のアイドルですらこうなのだから、地方アイドル、あるいは地下アイドルや弱小アイドルのような、経営がしっかりしていない事務所に所属するメンバーやその家族は、よりしっかりと将来を考えないといけないし、事務所はそのサポートも責任もって行うべきだと思う。(記事:潜水亭沈没・記事一覧を見る)
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