室町から続く炭焼き 黒川地区で一庫炭(菊炭)の窯出し、始まる / 兵庫県川西市
配信日時: 2026-02-20 16:26:14
断面に咲く菊の花 黒川の山で育まれる高級炭
川西市北部の黒川地区では、市の特産品である「一庫炭(菊炭)」の窯出し作業が、2月上旬から本格的に始まっています。
現在、この地域で唯一炭焼きを続けている炭焼農家・今西 学さん(いまにし まなぶ、54歳)が、貴重な伝統技術を守りながら次の世代へと受け継いでいます。
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窯出しの様子
川西市の最北部に位置する黒川地区は、良質なクヌギが豊富に手に入る土地柄から、室町時代頃より炭焼きが盛んに行われてきました。長い歴史を誇るこの地域の炭作りも、昭和30年代以降は電気やガスの普及によって需要が減り、さらに山間部の宅地開発が進んだことで原木の確保が難しくなりました。 現在、この伝統を守り続けているのは今西さん宅のみとなっています。
黒川で焼かれる炭は、断面が菊の花びらのように見えることから「菊炭」と呼ばれます。火付きの良さや火持ちの長さに加え、燃焼中に煙がほとんど出ず、静かに燃え続ける特性を持つため、茶席で用いられる高級炭として高く評価されています。
炭焼きの工程は、クヌギなどの原木を窯に運び入れる「窯入れ」から始まります。奥行き4メートル、幅3メートル、高さ2メートルほどのたまご型の窯に、長さ1メートル・直径10センチメートルほどの原木を隙間なく立てて並べ、天井との空間には雑木を詰めていきます。丁寧に積み上げられた原木の列は、窯の中で静かに炭へと姿を変えていきます。
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窯出しの様子
窯出し作業は朝7時ごろから始まります。窯の中に入り、焼き上がった炭を外へ運び出す作業は、内部温度が100~120℃に達する過酷な環境の中で行われます。一度に作業できるのは約15分程度で、窯内作業と外での休憩を繰り返しながら、慎重に炭を取り出していきます。
今回の窯入れでは約6トンの原木が使われ、1回の炭焼きで約750キロの菊炭が生産されます。
この炭焼き作業は、4月末頃まで繰り返し続けられる予定です。
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菊炭
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