水稲用除草剤「イプトリアゾピリド」の作用メカニズムを解明
配信日時: 2025-06-11 14:00:00

日産化学株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役 取締役社長:八木 晋介、以下「日産化学」)と国立研究開発法人産業技術総合研究所(本部:東京都千代田区、理事長:石村 和彦、以下「産総研」)は、イプトリアゾピリドが新規骨格のHPPD阻害剤であり、水稲の強害雑草であるイヌビエ体内では分解されずに高い除草効果を発現するのに対し、イネ体内では速やかに分解され作物に安全であることを解明しました。なお本研究成果は、2025年6月11日に国際的学術誌「Journal of Agricultural and Food Chemistry」に掲載されました。
イプトリアゾピリドは、既存除草剤の効果が低下した抵抗性イネ科雑草(ヒエ・アゼガヤ)に優れた効果を持つ日産化学が創出した新規水稲用除草剤原体です。
日産化学と産総研は、除草剤として新規なアゾールカルボキサミド構造を有する本化合物が、植物のカロテノイド合成に必要な酵素である4-ヒドロキシフェニルピルビン酸ジオキシゲナーゼ(HPPD)を阻害して薬効を発現することを解明しました。また、結晶構造解析によりHPPDと特異的に結合することが明らかとなりました。
HPPD阻害剤は国際的な除草剤抵抗性対策委員会(HRAC)においてグループ27に分類されており、イプトリアゾピリドは水稲用茎葉散布型除草剤として初のグループ27への分類が見込まれます。また、水稲栽培における抵抗性雑草管理の新しいツールとして、これまでにない特効薬となることが期待されます。
加えて、本研究では、イプトリアゾピリドがイネ科雑草であるイヌビエ体内では分解されずに高い除草効果を発現するのに対し、イネ植物体内では速やかに分解され、作物である水稲に高い安全性を示すことを解明しました。新規除草剤の作用メカニズムを解明することで、世界中の水稲生産者に安心して使用して頂ける製品を提供することが可能となります。また、水稲の直播栽培にも適した除草剤であるため、労働力省力化・水使用量削減・メタン排出量減少などの観点で持続可能な農業の実現に貢献できる農業資材の一つとなることが期待されます。
日産化学はイプトリアゾピリドの2027年の製品上市を目標に、グローバルな開発を進めて参ります。
論文情報
掲載誌:Journal of Agricultural and Food Chemistry
論文タイトル:Mechanism of Herbicidal Action and Rice Selectivity of Iptriazopyrid: A Novel Azole Carboxamide-Based Inhibitor of 4-Hydroxyphenylpyruvate Dioxygenase.
著者:Takashi Nishio, Nanami Nishijima, Tomomi Kubota, Yuichi Furuhata, Yoshiki Nanao, Hadian Permana, Takamasa Furuhashi and Yoshio Kato.
本件に関するお問合わせ先
経営企画部 企画室 広報Gr
関連リンク
DOI
https://pubs.acs.org/10.1021/acs.jafc.4c11831
国立研究開発法人産業技術総合研究所
https://www.aist.go.jp/
プレスリリース情報提供元:Digital PR Platform
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