BSI(英国規格協会)、2024年のグローバルサプライチェーンのリスクに関する報告書「2025サプライチェーンリスク&オポチュニティレポート」を発表 2024年は食品サプライチェーンでの盗難件数が前年比179%と急増
配信日時: 2025-03-27 14:00:00

本プレスリリースは2025年2月28日(英国時間)に英国で配信されたプレスリリースの抄訳版です。
2025年2月28日:英国規格協会(British Standards Institution、以下「BSI」)は、2024年のグローバルサプライチェーンのリスクに関する報告書「2025サプライチェーンリスク&オポチュニティレポート」を発表しました。本レポートによると、多くの主要国でのインフレと食品価格の上昇を背景に、食品・飲料および農作物が引き続き世界のサプライチェーンにおける盗難リスクにさらされており、昨年のサプライチェーン上における盗難事件件数のほぼ3分の1(32%)を占めています。
画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/430446/LL_img_430446_1.jpg
BSI(英国規格協会)、2024年のグローバル サプライチェーンのリスクに関する報告書「2025サプライチェーンリスク&オポチュニティレポート」を発行
サプライチェーンインテリジェンスの分野で世界をリードするBSIコンサルティングの分析によると、2024年には食品、製造、建設、製薬、ハイテク、小売業など、ほぼすべての業界で盗難が急増していることが明らかになりました。この急増は、BSIが盗難の監視・報告方法を毎年改善しているため、記録される盗難数が増えたことが要因のひとつに挙げられる一方で、企業の直面する課題が、範囲と規模の両面で拡大していることを示しています。
また、本レポートによると、食品・飲料の盗難は件数ベースで前年比79%増、農作物は73%増となり、両カテゴリーで輸送中のハイジャック(強盗や乗っ取り)全体の約半数を占めています。食品・飲料は全盗難製品の22%を占め、サプライチェーンにおけるハイジャックの3件に1件(29%)に該当します。農作物は全盗難製品の10%を占め、電子機器(9%)とともに被害額の大きい上位3品目に含まれています。注目すべき事件としては、米国で250万ドルの高級オリーブオイルが盗まれた事件や、アルゼンチンで約1,000トンの大豆が盗まれた事件などが挙げられます。
地政学的緊張や気候変動、新たなテクノロジーの導入に伴う市場の混乱、さらに労働者や消費者の需要の変化まで、企業が直面する課題は多岐にわたります。今回の分析では、不正行為やインサイダーリスクの増加、サプライチェーンシステムのデジタル化による脆弱性の拡大まで、企業が乗り越えなければならない多くの重大な課題が浮き彫りになりました。
とりわけ、医薬品の盗難件数は昨年記録された貨物盗難事件の約2%に過ぎなかったものの、1件あたりの金額が高額で、患者の健康に影響を及ぼす可能性があることから、業界にとっては重大なリスクとなることが明らかになりました。
世界的に見て最も頻度の高い手口はハイジャックによる盗難で、全事件の21%を占めており(2023年比10%ポイント増)、その多くが南米(52%)、北米(23%)、アフリカ(14%)で発生しています。小売業界は特にこの盗難による影響を受け、発生件数が全体に占める割合は2023年の9%から2024年には11%に増加しました。
全体として、全世界の盗難の5分の2(41%)が輸送中に発生し、21%は倉庫から、4%は安全が確保されていない路上駐車場から、さらに4%が駐車場から発生しています。コンテナやトレーラーからの盗難件数は7%減少しましたが、これは犯人が車両ごと貨物を盗むケースが増加したためです。貨物車両の盗難は前年比273%増加しており、貨物盗難全体の5分の1を占めています。
今回の調査では、企業や従業員が自社のトラックを乗っ取り、不正な保険金請求を行うケースや、倉庫の管理者や従業員が不完全な記録を利用して追跡されていない商品を横領したりするケースが見つかりました。また時間をかけて少量ずつ盗む窃盗団が増加し、最終的に大きな損失となるケースも増えています。さらに手の込んだ手口では、従業員が不正な鍵を作成して制限区域に侵入するケースもありました。分析では、関税のような経済的手段が、政治的な影響を及ぼし、地政学的目標を主張するための戦略的ツールとしてますます利用されていることが判明しました。
2024年、テクノロジーは引き続きグローバルサプライチェーンに影響を与え、企業はAIなどの最新技術を活用しましたが、これは同時に新たなリスクをもたらしました。地政学的な不確実性の中で、サプライチェーンは関係者による窃盗や労働運動に引き続き取り組まねばならず、これらの要因が相互に関連し、世界中の企業、政府、社会に影響を及ぼすことを浮き彫りにしました。企業が通過しなければならない複雑な市場環境のため、サプライチェーン、リスク、調達の管理者にとって、一貫した統合的な視点を通じて自社の脆弱性を評価することがますます重要になっています。
BSIの最高経営責任者(CEO)であるSusan Taylor Martinは、次のように述べています。
「地政学的緊張、景気変動、気候変動による混乱、急速な規制の変化、そしてもちろんAIがもたらす機会が従来のオペレーションモデルを再定義する中、私たちはグローバルサプライチェーンにとって極めて重要な局面を迎えています。サプライチェーンはさまざまな圧力にさらされやすく、企業は技術革新、リスク管理戦略、効果的な情報管理を活用することで、サプライチェーン全体のレジリエンスを確保することを最優先としなければなりません。行動を起こし、新たな規制の枠組みに合わせることで、企業はリスクを軽減するための進歩を加速させることができます。そうすることで、ますます複雑化するグローバル環境における成長の機会をつかむことが可能になります」
BSIコンサルティングの代表であるSergio Nogueiraは次のように述べています。
「米国新政権が国際貿易へのアプローチを転換する中、本レポートは、貿易の混乱や関税から、詐欺や内部の犯行のリスクの増加、あるいはシステムのデジタル化によってもたらされる脆弱性の増大まで、企業がサプライチェーンの中でナビゲートしなければならない多面的な課題を浮き彫りにしています。これらの課題は独立しているわけではなく、相互に深く関連しているため、サプライチェーンのレジリエンスに対する全体的なアプローチ、すなわち、単一のレンズを通してすべてのリスクを一度に捉えることの必要性が強調されています。
レジリエンスを尊重し、コラボレーションを促進し、テクノロジーの進歩を活用することで、企業はリスクを軽減できるだけでなく、持続可能な成長に向けた自社の立ち位置を確立することができるのです」
「2025サプライチェーンリスク&オポチュニティレポート」(英文)は、こちらのページでダウンロードいただけます。
https://www.bsigroup.com/en-US/insights-and-media/insights/whitepapers/2025-supply-chain-risks-and-opportunities-report/
■BSI(英国規格協会)とBSIグループジャパンについて
BSI(British Standards Institution:英国規格協会)は、ビジネス改善と標準化を推進する機関です。設立以来1世紀以上にわたって組織や社会にポジティブな影響をもたらし、信頼を築き、人々の暮らしを向上させてきました。現在190を超える国と地域、そして80,000社以上のお客様と取引をしながら、専門家、業界団体、消費者団体、組織、政府機関を含む15,000の強力なグローバルコミュニティと連携しています。BSIは、自動車、航空宇宙、建築環境、食品、小売、医療などの主要産業分野にわたる豊富な専門知識を活用し、お客様のパーパス達成を支援することを自社のパーパスと定めています。
気候変動からデジタルトランスフォーメーションにおける信頼の構築まで、あらゆる重要社会課題に取り組むために、BSIはさまざまな組織と手を取り合うことによって、より良い社会と持続可能な世界の実現を加速し、組織が自信を持って成長できるよう支援しています。
BSIグループジャパンは、1999年に設立されたBSIの日本法人です。マネジメントシステム、情報セキュリティサービス、医療機器の認証サービス、製品試験・製品認証サービスおよび研修サービスの提供を主業務とし、また規格開発のサポートを含め規格に関する幅広いサービスを提供しています。
URL: https://www.bsigroup.com/ja-JP/
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