「FM音源の実用化と普及」が第18回電気技術顕彰「でんきの礎」として顕彰

プレスリリース発表元企業:ヤマハ株式会社

配信日時: 2025-03-26 11:07:04



ヤマハ株式会社は、当社の技術成果である「FM音源の実用化と普及」が、一般社団法人電気学会の、第18回電気技術顕彰「でんきの礎」として顕彰されました。
「でんきの礎」は「社会生活に大きな貢献を果たした電気技術」の功績を称え、その価値を広く世の中に周知して多くの人々に電気技術のすばらしさ、面白さを知ってもらい、今後の電気技術の発展に寄与することを目的に、技術史的価値、社会的価値、学術的・教育的価値のいずれかを有する25年以上経過した電気技術の業績を顕彰するもので、2008(平成20)年に制度化されたものです。
このたび当社が顕彰されたFM音源は、1975年に米スタンフォード大学から当社がライセンスを受けた特許技術です。ジョン・チョウニング(John Chowning)博士が発明した基本特許を基に、当社が演算アルゴリズムを改良し、幅広い楽器の音色をカバーできるフィードバックFM技術を開発しました。さらに自社でLSI化することで量産、実用化に成功し、1981年以降、エレクトーン(電子オルガン)やシンセサイザーに搭載し普及を進めました。
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エレクトーン「FX-1」(1983年)
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シンセサイザー「DX7」(1983年)

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2025年3月19日に行われた「でんきの礎」授与式に出席した、(左から)電子楽器事業部 大田 慎一、奥村 貴宏、当社OB 国本 利文
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記念品のプレート


電子楽器事業部 事業部長 阿部征治のコメント
このたび、「でんきの礎」として顕彰されたことを大変光栄に思います。この顕彰は、長年にわたる技術革新と音楽文化への貢献が評価された結果であり、関係者の皆様に心より感謝申し上げます。
今後もヤマハは、音楽と技術の融合を追求し、より豊かな音楽体験を提供するために努力してまいります。


参考:FM音源について
1980年代までの電子楽器やシンセサイザーは、発音や音色変化に必要な要素を電子回路の組み合わせで実現していました。一方、FM音源はシンプルな構成で表現力豊かな幅広い音色変化が得られることが特長で、デジタル技術を用いることによってコンパクトなハードウェアにまとめることができます。そこで当社は、エレクトーン(電子オルガン)用に1972年から生産を始めていた半導体とデジタル技術をFM音源に応用し、フィードバックFMなど新たに開発した技術をLSI(大規模集積回路)にまとめて1チップ化・量産化することで、実用化と普及を進めてきました。

1.電子楽器
1981年に発売したシンセサイザー「GS1」への搭載に始まり、1980年代後半にAWM(サンプリング)音源が登場するまで、その高い表現と自由な音作り性から幅広い電子楽器にFM音源を採用しました。また近年、再びFM音源を搭載する電子楽器が増えてきています。(以下、括弧の年は発売開始年)

エレクトーン
「F-70」(1981年)に始まり、「FX/FS/FEシリーズ」(1983年)、「HX/HSシリーズ」(1987年)、「ELシリーズ」(1991年)まで長きにわたりFM音源を搭載し、音楽家から一般家庭まで電子楽器の普及に貢献してきました。

シンセサイザー
「GS1/2」(1981年)を皮切りに1980年代の多くの製品に採用しました。なかでも「DX7」(1983年)は世界中のミュージシャンのステージから音楽制作まで幅広く使われました。1998年にシンセサイザー用の拡張音源「PLGボード」として再びFM音源を発売し、近年では「reface」(2015年)や「MONTAGE」(2016年)、そして「MONTAGE M」(2023年)にも最先端のFM音源を搭載しています。


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「GS1」(1981年)


電子ピアノ・キーボード
家庭向けの電子ピアノであるクラビノーバ「YP-30」(1983年)、持ち運びに便利なポータブルキーボード「MK-100」(1983年)をはじめ、1980年代の多くの製品に採用しました。ステージキーボード「YCシリーズ」(2020年)、海外向けのキーボード「Genos2」(2023年)にもFM音源を搭載しています。

2.FM音源チップ1983年に当社はLSIの外販を開始しFM音源チップもその一つとして発売しました。1984年にはマルチメディア端末用に開発した「YM3526(OPL)」がPCやゲーム機に採用され、高音質なFM音源が普及していくきっかけとなりました。
1999年には携帯電話用LSI「YMU757(MA-1)」を開発しました。携帯電話の着信メロディー音をFM音源により大幅に高音質化、多機能化させる音源LSIとして開発したもので、スピーカー用アンプなどの周辺回路を含めて1チップに収めたのに加え、データの開発に必要なオーサリングツールまで提供したことにより、携帯電話のマルチメディア化を進めるきっかけとなりました。


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「YM3526」(1984年)




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「YMU757」(1999年)





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