【イベントレポート】中川政七氏が語る「人を生かせる合理化」とは~第2回 ゴウリカ経営者カンファレンス開催~

プレスリリース発表元企業:ゴウリカマーケティング株式会社

配信日時: 2024-11-29 13:00:00



「人に寄りそう合理化」で企業変革をサポートするゴウリカマーケティング株式会社(本社:東京都 渋谷区、代表取締役:岡本賢祐)は、2024年10月25日(金)にザ・リッツ・カールトン東京にて「第2回 ゴウリカ経営者カンファレンス」を開催いたしました。弊社ウェブサイトでのレポート公開をお知らせするとともに、当日の様子をダイジェストでお伝えいたします。
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▼第2回 ゴウリカ経営者カンファレンス イベントレポート▼
https://gourica.co.jp/lp/conference/report-02/

現代において、企業がさらなる成長や成果を達成するためには、絶えず組織や行動の「変革」を行うことが不可欠です。この流れの中で、「DX(デジタルトランスフォーメーション)」「組織改革」「経営変革」といった言葉が注目されているように、「合理化」への取り組みが成功への大きな鍵となっています。

第2回目となる今回のカンファレンスでは、「人を生かせる合理化」というテーマのもと、中川政七商店の代表取締役会長・中川政七氏をお迎えしての講演と、編集家の松永光弘氏と弊社の岡本賢祐を交えた鼎談を通じて議論を深めました。


「ゴウリカ経営者カンファレンスについて」
今の時代、「DX、AI、データサイエンス」といった「合理化」の取り組みが現場に浸透するなか、「ESG、パーパス経営、人的資本経営」という言葉が注目されるように、人間性に寄りそうマネジメントが注目されるようになってきています。私たちは、現代経営に欠かせない「合理化」の取り組みを、かたちだけのものに終わるのではなく、真に組織や行動を変えるものにするには、「人を生かせるものになっているかどうか」にかかっていると考えています。本カンファレンスでは、そんな「人を生かせる合理化」をテーマに、各界の識者やトップランナーたちを講師として招いて、日本を代表する企業のトップの皆様とともに「真の合理化のあり方」の考える場をつくることで、今後の日本企業の更なる発展に貢献していきたく考えております。

【ゴウリカ経営者カンファレンスの開催概要はこちら】
https://gourica.co.jp/lp/conference/

【第1回 ゴウリカ経営者カンファレンス イベントレポート(講師:楠木建氏)】
https://gourica.co.jp/lp/conference/report-01/


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中川 政七(なかがわ まさしち)氏
中川 政七(なかがわ まさしち)氏株式会社 中川政七商店 代表取締役会長
1974年生まれ。京都大学法学部卒業後、2000年富士通株式会社入社。2002年に株式会社中川政七商店に入社し、2008年に十三代社長に就任、2018年より会長を務める。業界初の工芸をベースにしたSPA業態を確立し、「日本の工芸を元気にする!」というビジョンのもと、業界特化型の経営コンサルティング事業や教育事業を開始。現在は学生経営×地方創生プロジェクト「アナザー・ジャパン」や、志あるブランドを世の中に届ける共同体「PARaDE」を発足。企業やブランドのビジョン・思想を「ライフスタンス(R)」と提唱し、新しい経済の形を生み出している。
2015年には、独自性のある戦略により高い収益性を維持している企業を表彰する「ポーター賞」を受賞。「カンブリア宮殿」「SWITCH」などテレビ出演のほか、経営者・デザイナー向けのセミナーや講演歴も多数。著書に『日本の工芸を元気にする!』(東洋経済新報社)、『ビジョンとともに働くということ』(祥伝社)、『経営とデザインの幸せな関係』、『中川政七商店が18人の学生と挑んだ「志」ある商売のはじめかた』(日経BP社)他




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松永 光弘(まつなが みつひろ)氏
松永 光弘(まつなが みつひろ)氏編集家。1971年、大阪生まれ。「編集を世の中に生かす」をテーマに、メディアにおける活動だけでなく、企業のブランディングや発信、サービス開発、教育事業、地域創生など、さまざまなシーンで「人、モノ、コトの編集」に取り組んでいる。20年あまりにわたって日本を代表するクリエイターたちの書籍を数多く世に送り出してきた、クリエイティブ系書籍編集の第一人者。国立大学スタートアップをはじめとした複数の企業のアドバイザーもつとめており、顧問編集者のパイオニアとしても知られている。自著に『「アタマのやわらかさ」の原理。クリエイティブな人たちは実は編集している』、『ささるアイディア。なぜ彼らは「新しい答え」を思いつけるのか』、『伝え方──伝えたいことを、伝えてはいけない。』がある。




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岡本 賢祐(おかもと けんすけ)
岡本 賢祐(おかもと けんすけ)ゴウリカマーケティング株式会社 代表取締役
名古屋大学経済学部を卒業後、2001年にコニカミノルタに入社。一貫して新規サービスや事業の立ち上げに従事。医療ITからマーケティングまで幅広く経験し、海外販社でのマネジメントやM&Aにも従事。多くの失敗と少ない成功を経験し、2015年よりコニカミノルタマーケティンクサービスジャパンを立ち上げ社長に就任。大きく成長したのち、2022年にコニカミノルタを退社し独立。2023年にコニカミノルタマーケティングサービスジャパンと合併し、ゴウリカマーケティングを設立し社長に就任。




<講演会「人を生かせる合理化とは」>
カンファレンスは、前回と同じく、主催者であるゴウリカマーケティングの代表取締役 岡本賢祐の挨拶からスタート。第1回で経営学者・楠木健氏が語った、意思決定における“好き嫌い”、他社との差別化という意味での“ディファレント”を引き合いに出し、経営における人を生かせる合理化の大切さを改めて確認しました。

それを受けた第一部では、中川政七氏が登壇。300年以上続いている中川政七商店の歩みをひもときつつ、伝統工芸業界の現状や同社のビジョンについて紹介したうえで、後半では、副題として掲げた「ビジョンがあるから迷わない」というテーマに言及。経営におけるビジョンの重要性、社内にビジョンを浸透させる同社の取り組みについて、独自の経営理論を披露しつつ解説しました。中川氏のさり気なくユーモアを交えつつも熱のこもった語り口に、会場の参加者たちはみな大きくうなずきながら聞き入っていました。


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- 「日本の工芸を元気にする!」卸から直営店へ。
- 業界特化型コンサルティングで「産地の一番星」を作る
- ビジョンはなぜ機能しないのか
- 「どこまで背負えるか」を決める
- 目の前の仕事がビジョンとつながっているか



■「日本の工芸を元気にする!」卸から直営店へ。
中川氏のお話は、自己紹介の意味も込めて、享保元年(1716年)に問屋業としてスタートした家業・中川政七商店の歩みを振り返るところから始まりました。創業当時、同社が扱う高級麻織物の奈良晒(さらし)は武士の裃(かみしも)に使われ、徳川幕府の御用品にも指定されていましたが、時代の変遷で晒が廃れるなか、先代が1970年代に茶道具業界に本格参入し、総合問屋に。80年代に生活雑貨の取り扱いを始めたところ、センスの良さが評判となって注目され、2001年には東京進出を果たします。
いっぽうの中川氏自身は、大学卒業後は大手IT企業に就職。2年のサラリーマン生活を経て、2002年に家業に参加し、赤字店舗の建て直しを始め、周囲の反対を押し切って卸から直営店にシフトするなど様々な取り組みを敢行。2006年に10店舗目となる表参道ヒルズに出店した頃には、社内のシステムも整備し、黒字化を果たしました。そのうえで2008年には、十三代として代表取締役社長に就任。ただ、「会社が順調になると社長のやることはなくなり、何のために働くのか意義を見出せなくなった」という実感もあり、会社の存在意義を見出すために作り上げたのが「日本の工芸を元気にする!」というビジョンでした。長い歴史を持ちながらも、中川政七商店には、それまで社是も家訓もなかったと言います。


■業界特化型コンサルティングで「産地の一番星」を作る
伝統工芸を手がける会社の多くは、いわゆる斜陽の状態。そこで、日本の工芸を盛り上げるために中川氏が2009年に取り組み始めたのが、業界特化型のコンサルティングでした。行政も巻き込んだ伝統工芸の事業支援は多くあれど、成功した事例が少ない理由を中川氏は「コンサルティングを受ける側に経営をきちんとわかっている経営者がいないから」と看破。決算書の見方といった経営のイロハを教えるところから、商品開発、販路開拓、採用といった実務に至るまでを支援することで、赤字だった企業の建て直しに取り組みます。一時は倒産寸前だった波佐見焼の企業が、いまでは年商3億円を売り上げるまでになっているのをはじめ、氏がこれまでにコンサルを手がけた60社超の企業はいずれも黒字に。その手腕が評判を呼び、行政と連携して全国各地で経営塾の開催を始め、人材育成事業にも乗り出します。
さらに、2018年3月に社長を退き、会長となった中川氏はコンサルティング業務に注力。「産地の衰退は予想以上に早く、コロナが追い打ちをかけ、サプライチェーンが崩壊しかけている。産地全体で取り組まなければならない」と危機感を強め、支援するだけでなく、製造背景を考慮した垂直統合の必要性、ファクトリーツーリズムのような産業観光への取り組みが不可欠、と語りました。

中川氏は、さらに下記について言及。
- ビジョンはなぜ機能しないのか
- 「どこまで背負えるか」を決める
- 目の前の仕事がビジョンとつながっているか


そして、中川氏が考える「人を生かせる合理化とは――― ビジョンがあるから迷わない」とは...
こちらの答えは下記レポートにて公開しています。ぜひご一読ください。


【イベントレポート】はこちらから


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第二部では、第一部の講演を踏まえて中川氏と松永氏、岡本による鼎談を実施。テーマをさらに掘り下げた話が展開されました。

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岡本 市場の流行りや顧客の要望を事業にしよう、そこからビジョンを導こうという流れの話はよく聞きますが、その逆の、ビジョンから新規事業に落としていく考え方は初めて聞いた気がします。




中川 「ビジョン・ミッション・パーパス」といったり、ビジョンという言い方は様々ですが……、まず、会社の上に掲げるものはトップが作るべきで、経営企画室や外部に任せるということはありえないとぼくは思っています。市場にアプローチして新しい需要をみつける、楠木先生の言う“オポチュニティ企業”という戦い方も確かにありますが、その言い方でいうと、うちの会社はひたすら自分たちがどうあるか積み上げていく“クオリティ企業”なので、ビジョンを起点にすべてを考えています。特に大きな企業なんかだと、存続させることに重きを置く人がたくさんいます。でも、そもそも企業は存続するためにあるわけではなく、ビジョンを達成するためにある。ビジョンを達成すれば解散してもいいくらいの覚悟が必要だと思うんです。そういう意味では、いまブームとしてもてはやされている「ビジョン・ミッション・パーパス」は、はっきり言えば、すべての企業に必要なものではないですよね。


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松永 どうして「ビジョン・ミッション・パーパス」ブームが起こったんですかね?




中川 メディアが、キーワードを作ってあおり立てているだけですよ。30年くらい前に『ビジョナリーカンパニー』という本がありましたが、本質はそこから何も変わっていないと思います。ふつうの経営者なら、当たり前にわかっていることです。でも、呼び方を変えて「パーパス」と言うと、何か新しく感じる…それだけの話ではないかと。


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松永 なるほど。メディアの関係者としては耳が痛い話ですね……(笑)。先ほど、ビジョンの定義が大切との話でしたが、定義のポイントのようなもの、導き出す際に気をつけることなどはあるのでしょうか?




中川 うちの会社の場合なら、先ほどもお話ししたように工芸をテーマにしているわけですが、その工芸なら工芸で「僕らのビジョンでは それ(工芸)をこの範囲に絞る!」と決めることですね。


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松永 いわゆる“決め”の問題、ということですか?






中川 そうですね。そういう意味では、定義を決めるというよりは、意思を決めるといったほうがいいかもしれません。ここに取り組むんだと、意思が決まらないと進まない。先ほどもお話ししたように、たとえばうちの会社は、工房は対象にするけれど、作家は対象にしないと決めています。これは別に好き嫌いの問題ではなくて、工房は売れると原価が下がって安く出せるんです。だから、工房はビジネスになるけれど、作家は希少性を求められるもので、同じ土俵にはないんです。


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鼎談の続きは【イベントレポート https://gourica.co.jp/lp/conference/report-02/
をご覧ください



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続く懇親会でも、中川氏を囲みながら、熱いディスカッションが交わされました。
今後もゴウリカマーケティングでは、各分野のエキスパートやリーダーの皆様を講師にお迎えし、多様な方々と意見を交わしながら、さらに多面的な議論を展開してまいります。
弊社では、企業のご担当者様に向けて様々なテーマでセミナーやウェビナーを開催予定です。
随時、コーポレートサイト等でお知らせいたしますので、ぜひ皆さまのご参加をお待ちしております。
https://gourica.co.jp/




GOURICA MARKETING, Inc. / ゴウリカマーケティング株式会社について
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[企業情報]
会社名:ゴウリカマーケティング株式会社
所在地:東京都渋谷区渋谷1-10-9 MIYAMASU TOWER
代表者名:岡本 賢祐
資本金:100百万円
備考:2023年6月にフェムトパートナーズの支援を受けてMBOを実施し、コニカミノルタグループから独立
https://gourica.co.jp/


[事業内容]
マーケティング部門のDX推進サービス、販促物(カタログ、POP、ディスプレイなど)に係る一連のサプライチェーン最適化実現のサービス、マーケティング部門への業務効率化システムの提供、マーケティングROI最適化支援(データ分析)

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