第 5 回「三井ゴールデン匠賞」 受賞者決定 日本の伝統工芸の持続・発展に貢献する5組を選出
配信日時: 2024-10-03 17:45:35
10月3日(木)よりオーディエンス賞の一般投票開始 12月6日(金)までWebで受付
三井グループ24社で構成する「三井広報委員会」は、日本の伝統工芸の持続・発展に真摯に取り組む個人・ 団体を表彰する第5回「三井ゴールデン匠賞」において、入選者20組を対象に厳正なる本審査を実施し、 5組の〈三井ゴールデン匠賞〉の受賞者(個人および団体)を決定しました。また、〈審査員特別賞〉2組、〈奨励賞〉2組の受賞者(個人および団体)も決定しました。
この度の受賞者は、先端加工技術を取り入れて新たな表現を生み出す方、伝統的な技術の継承に力を注がれる方、材料や道具を確保するための道を切り開き工芸の下支えをする方、マーケティングを駆使し、ブランディングや新しい販路を切り開く方などが選出されました。
また、一般の方々に伝統工芸を身近に感じていただく事を目的とし、インターネットに加え、展示の会場で一般の方からの投票を実施する「オーディエンス賞」を選出します。オーディエンス賞投票期間は10月3日(木)~12月6日(金)となります。
(第5回受賞者・投票ページ https://mgt.mitsuipr.com/about/winner_05.html )
【第5回「三井ゴールデン匠賞」受賞者】※50音順/敬称略
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〈三井ゴールデン匠賞〉
[画像1: https://prtimes.jp/i/134670/7/resize/d134670-7-356ef4470bbcc15fe425-10.jpg ]
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〈審査員特別賞〉
|青森県| 木村 正人(きむら まさと)【津軽塗《つがるぬり》】
|富山県| 東中江和紙加工生産組合(ひがしなかえわしかこうせいさんくみあい)【越中和紙《えっちゅうわし》】
※団体として応募
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〈奨励賞〉
|東京都| 東京水引(とうきょうみずひき)【水引細工《みずひきざいく》】※団体として応募
|石川県| 針谷 絹代(はりや きぬよ)【山中漆器《やまなかしっき》】
【第5回「三井ゴールデン匠賞」受賞者選出ポイント】
〈三井ゴールデン匠賞〉
■石川県 池田 晃将(いけだ てるまさ)
[画像2: https://prtimes.jp/i/134670/7/resize/d134670-7-46ddac4ea9f65ecb85e6-11.png ]
工芸品種類 :蒔絵(まきえ)・螺鈿(らでん)
応募タイトル :「現代における装飾工芸品の制作」
選出ポイント :
伝統的な螺鈿技法を守りながらも、レーザー機器など先端技術を組み入れることで、人の手と刃物ではできない
極小のパーツを実現。新しい表現の追求に取り組んでいる。
伝統的な材料や技法を尊重しながら現代テクノロジーを程よいさじ加減で取り入れ、現代人の嗜好にアジャストする作品を生み出す制作のあり方、これからの時代だからこその若手の育成、産地全体としての新しい指針、成長への取り組みが、多くの審査員から注目と支持を集めた。
■岐阜県 エゴノキプロジェクト実行委員会 ※団体として応募 代表:長屋 一男(ながや かずお)
[画像3: https://prtimes.jp/i/134670/7/resize/d134670-7-d7538788351cd1ead4c1-12.png ]
工芸品種類 :岐阜和傘(ぎふわがさ)
応募タイトル :「全国から職人や関係者が集い、森づくりから取り組む和傘の維持継承」
選出ポイント :
和傘の材料となるエゴノキの森を多くのボランティアで守り、育てるプロジェクト。「今や少なくなってしまった和傘産地が作り続けるためには重要な取り組み」(河井隆徳氏)、「材料の未来にまで光をあてるのは大切なこと」(千宗屋氏)、「多くのボランティアや地元小学生も含めた地域での取り組みが素晴らしい」(小林祐子氏)と、プロジェクトの姿勢が多くの審査員の共感を呼んだ。
■石川県 彦十蒔絵(ひこじゅうまきえ) ※団体として応募 代表:若宮 隆志(わかみや たかし)
[画像4: https://prtimes.jp/i/134670/7/resize/d134670-7-10375911c2616fc0a38d-13.png ]
工芸品種類 :輪島の変塗(わじまのかわりぬり)
応募タイトル :「縄文時代から続く漆と平安時代から続く蒔絵意匠と技術を使った
日本の美意識を未来に繋げる取り組み」
選出ポイント :
輪島の変塗において意欲的に活動する「彦十蒔絵」。
制作メンバーは、輪島の職人を基本とするが、メンバーは代表の若宮隆志より年下で構成され、各職人の性格や
個性に合わせて得意とする部分に着目し伸ばす方法を取って育成しながら仕事を依頼する。
こうしたプロジェクトチームとしてのあり方、進め方は漆工だけでなく工芸界全体にも良い影響を与えていると
審査員たちからの支持を得た。
■石川県 久恒 俊治(ひさつね としはる)
[画像5: https://prtimes.jp/i/134670/7/resize/d134670-7-775b769661d502799ceb-19.png ]
工芸品種類 :加賀友禅(かがゆうぜん)
応募タイトル :「草木染め加賀友禅の再興、未来へとつなげる」
選出ポイント :
大学と共同開発した新たな植物染料を用いて友禅染を行った独創性。明治以降、長く続く化学染料による
水質汚染の問題を改善するという革新性。新しい染織文化が生まれる可能性が審査員たちからの高い評価を得た。
■大分県 別府⽵製品協同組合(べっぷたけせいひんきょうどうくみあい) ※団体として応募
代表:岩尾 一朗(いわお いちろう)
[画像6: https://prtimes.jp/i/134670/7/resize/d134670-7-1ca11b9abd49d5368e80-15.png ]
工芸品種類 :別府⽵細工(べっぷたけざいく)
応募タイトル :「別府竹細工の伝統と技術の首都圏における普及・認知向上と
その発信を通じた伝統と革新性への貢献」
選出ポイント :
別府の竹細工の技術を受け継ぎ、早い時期から首都圏でも質の高い教室を開催。地域に縛られず、
より広い範囲、年代において竹細工の技術を広める結果が出ている。その取り組みの成果は作品にも表れており、高級外資ブランドからも新入社員研修の一部を依頼されたり、インドネシア、イスラエル、スイス、フランスなど、海外にも多く作品を出展したりするのみならず、現地に滞在し技術指導を行うなど、別府竹細工の伝統、芸術性をワールドワイドに浸透させている。
〈審査員特別賞〉
■青森県 木村 正人(きむら まさと)
[画像7: https://prtimes.jp/i/134670/7/resize/d134670-7-73be9be8cec2f721a848-16.png ]
工芸品種類 :津軽塗(つがるぬり)
応募タイトル :「受け継がれてきた伝統と新たな可能性の探求」
選出ポイント :
漆芸製作技術者としての卓越した技術と、多彩な表現方法を持つ津軽塗を解明再現する、
材料である漆を自ら掻くなど、その文化保存と伝承者の育成についての長く地道な功績が審査員特別賞にふさわしいと大きく評価された。
■富山県 東中江和紙加工生産組合(ひがしなかえわしかこうせいさんくみあい) ※団体として応募
代表:宮本 友信(みやもと とものぶ)
[画像8: https://prtimes.jp/i/134670/7/resize/d134670-7-4a124f80d664f40a289c-17.png ]
工芸品種類 :越中和紙(えっちゅうわし)
応募タイトル :「千年の歳月に耐える、楮100%の悠久紙」
選出ポイント :
楮を白くするためには漂白剤を使うことがほとんどだが、ここでは冬の間2週間、楮の束を雪上に並べ太陽に
晒すことで楮内の葉緑素を抜くという「雪晒し」を行う。
五箇山は自ら楮を育て、かたくなに伝統的な作り方を守り、和紙の良さを今に残す産地である。産地が激減するなか、「守らないといけない技術がある」と審査員たちに評価された。
〈奨励賞〉
■東京都 東京水引(とうきょうみずひき) ※団体として応募 代表:中村 江美(なかむら えみ)
[画像9: https://prtimes.jp/i/134670/7/resize/d134670-7-98fd7a5c69bb0da976ac-18.jpg ]
工芸品種類 :水引細工(みずひきざいく)
応募タイトル :「世界と時代を結ぶ:東京水引が切り拓く新たな可能性」
選出ポイント :
ハレの日の飾りとして本来の出番が少なくなってしまった水引。
テーブルウェアやアクセサリーなど、新たな飾りへとアップデートしたデザイン力、緻密に編まれた技術力が
審査員たちに高く評価された。また、エコロジカルな配慮から、紙資源や未利用の間伐材和紙から水引を製作する
プロジェクトは、豊かな地球環境を後の世代にまでつなげるための先駆的な挑戦である。
■石川県 針谷 絹代(はりや きぬよ)
[画像10: https://prtimes.jp/i/134670/7/resize/d134670-7-360da508cce0d3083618-19.jpg ]
工芸品種類 :山中漆器(やまなかしっき)
応募タイトル :「蒔絵アクセサリーの誕生 家族と共に歩む道」
選出ポイント :
「蒔絵のニーズが減るなか、べっこうに蒔絵をほどこしアクセサリーにするなど表現が新鮮」(河井隆徳氏)、
「作品としての魅力がある」(外舘和子氏)と、親子二代にわたり山中の蒔絵を新たな方向に導く存在になることが期待された。
【第5回三井ゴールデン匠賞 審査員長外舘和子氏による全体講評】
第5回三井ゴールデン匠賞 総評
審査員長 外舘 和子(多摩美術大学教授)
第5回を迎えた三井ゴールデン匠賞の審査は、例年にも増して幅広い領域からのさまざまな応募があり、一次審査・二次審査とも、長時間を費やすこととなった。工芸作品の制作のみならず、材料や道具などへの取り組みも含め、工芸界全体を視野に入れた賞は、工芸大国ニッポンにおいても、恐らくこの三井ゴールデン匠賞だけであろう。今回も、確かな技術と創造性が見られる漆、竹、染織、ガラス、陶芸、金工をはじめ、水引、らんま、和紙、あるいは墨や箆といった道具、障害者の活力を生かした活動などが、幅広く話題になった。
今年は元旦の能登の地震をはじめ、天候の不安定による大小の自然災害に見舞われたが、石川県方面からも積極的な質の高い応募があり、それは受賞結果にも反映されている。
但し、審査結果は、北陸を応援したいという気分に助けられたのではなく、冷静に応募内容を吟味した結果であることを述べておきたい。実際、二次審査では現物審査となるため、その取り組みが確かな「成果」を生んだか否かが一目瞭然で、審査は二次においてシビアな「確信」に至る。石川県方面の授賞が多かったのは、この地域の工芸の歴史や環境の充実、人口当たりの工芸関係者数の多さに負うところも大きいだろう。実際その受賞者には、個人、若手グループ、あるいは男性も女性も含まれ、またひと口に漆芸といっても、受賞内容は、螺鈿、蒔絵、変わり塗りなど主たる技法が異なり、表現も異なる。つまり、漸く5回目にしてこの賞が石川県の比較的若い工芸家にも知られつつあることを示しているともいえる。その意味では、九州の工芸関係者や東海の陶芸関係者には、更に周知が必要とも考えられよう。
私は海外でも日本の工芸について語る機会が多いが、作品の制作者であれ、材料や道具などへの従事者であれ、この賞は、工芸の世界をただ支援するだけでなく、質の向上を促し、それを厳密に評価する賞であってほしいと願っている。応募者がそれぞれの立場で挑戦し、ブラッシュアップし、工芸の未来を切り拓いていく姿勢を期待したい。
【第 5 回「三井ゴールデン匠賞」概要】
「三井ゴールデン匠賞」は日本の伝統工芸の持続・発展に貢献する業界関係者・団体を表彰するものです。
伝統工芸界には、後継者不足など課題がある中、日本の伝統を継承しながら未来につながるものづくりに真摯に取り組み、さらに発展させている伝統工芸の担い手がいます。本賞は、こうした取り組みの担い手に称賛が集まる機会を作り、日本の伝統を次世代につなぐ取り組みを応援しています。 このため、本賞は伝統工芸品の職人はもとより、器具・素材の開発や、経営・ 流通に関わる方など、伝統工芸界を支える幅広い個人や団体を応募対象としています。
日本の伝統文化の継承・発展、また国内外への情報発信の重要性が高まる昨今、三井広報委員会は「三井ゴールデン匠賞」の実施を通じて伝統工芸の担い手を称えるとともに、伝統工芸の素晴らしさを広く伝える機会の創出に寄与して参ります。
※ 2015年に「三井ゴールデン匠賞」創設。
これまでに4回(2015年度/2017年度/2019年度/2021年度の隔年実施)にわたり、
優れた活動を行う伝統工芸の担い手にスポットライトを当て、その功績を称える活動を行ってきました。
「三井ゴールデン匠賞」公式サイト : https://mgt.mitsuipr.com/
【 主 催 】 三井広報委員会
【 後 援 】 一般財団法人 伝統的工芸品産業振興協会
【 協 力 】 和くらし・くらぶ
【賞の種類/賞金】
・ 三井ゴールデン匠賞 :5名または5団体以内。
審査員による審査で選出。トロフィーおよび賞金50万円を贈与。
・ 審査員特別賞 : 若干名(該当者無しの場合もあり)
審査員による審査で選出。トロフィーおよび賞金20万円を贈与。
・奨励賞 : 若干名(該当者無しの場合もあり)
審査員による審査で選出。トロフィーおよび、賞金10万円を贈与。
・ 入選:上記の受賞者を含めて20名または20団体以内。
・ オーディエンス賞:1名または1団体。
一般の方に伝統工芸を身近に感じていただくことを目的とし、
インターネットに加え、展示の会場で一般の方からの投票により、
三井ゴールデン匠賞受賞者の中から選出。トロフィーを贈与。
【受賞者発表】2024年10月3日(木)
【オーディエンス賞投票】10月3日(木)~12月6日(金)までWebで受付
(第5回受賞者・投票ページ https://mgt.mitsuipr.com/about/winner_05.html )
【贈賞式】 2025年1月30日(木)
【審査ポイント】 「技術・技能」、「創造性」、「持続性」。
その視点から未来につながる取り組みを評価します。
【審査員】
・外舘 和子(工芸評論家 多摩美術大学教授) ※審査員長
・小林 祐子(三井記念美術館 学芸課長)
・河井 隆徳(一般財団法人 伝統的工芸品産業振興協会 常務理事)
・戸田 敏夫(日本伝統工芸士会 会長)
・千 宗屋(武者小路千家家元後嗣)
【三井広報委員会について】
三井グループ企業24社で構成される三井広報委員会は、
“人を大切にし、多様な個性と価値を尊重することで社会を豊かにする”という理念のもと、
様々な文化活動および広報活動を行う組織です。
活動を通じ、国際交流や地域社会の活性化に貢献するとともに、社会の繁栄と福祉に
寄与し、三井グループのより一層のイメージ向上を目指しています。
〈会員会社一覧〉
三機工業 新日本空調 三井住友建設 サッポロビール 東レ 王子ホールディングス デンカ 三井化学
日本製鋼所 三井金属 東洋エンジニアリング 三井E&S 商船三井 三井物産
三越伊勢丹ホールディングス 三井住友海上 三井住友銀行 三井住友ファイナンス&リース JA三井リース
大樹生命 三井住友信託銀行 三井不動産 三井倉庫ホールディングス エームサービス
〈主な活動〉
・ 「三井ゴールデン匠賞」の主催
・ 「三井ゴールデン・グラブ賞」の提供
・ 「三井ゴールデン・グラブ野球教室」の開催
三井広報委員会公式サイト :https://www.mitsuipr.com/
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