能登半島地震を乗り越えて新たな挑戦ー輪島の漆芸作家スザーン・ロスさん個展開催 2/15~18長野県東御市、3/8~17大阪市東住吉区

プレスリリース発表元企業:桜の花出版

配信日時: 2024-02-05 20:00:00

能登半島地震を乗り越えて新たな挑戦ー輪島の漆芸作家スザーン・ロスさん個展開催 2/15~18長野県東御市、3/8~17大阪市東住吉区


2024年1月1日、突然襲った能登半島地震によって、僅か60秒に満たない間に、自宅も工房も、作品も道具も、全てが残酷にも壊されてしまいました。漆に魅せられて22歳でイギリスから来日したスザーン・ロスさんは、10年かけて複雑な輪島塗の行程をすべて一人でこなせる技術を身に付け、漆芸作家として独自の世界を表現してきました。一方で、縄文時代から続いている日本の伝統工芸が、いま日本から消えかかっていることに危機感を抱き、日本人のみならず海外にも日本の伝統工芸の素晴らしさを伝え続けています。震災で全てを失っても、なお作品を作りたい、まだまだ漆を学びたい、というスザーンさんの情熱は消えることはありません。新たな拠点を探し、材料や漆を手に入れて、再び作品を創造する生活を取り戻すために、個展を開き、残った作品の販売もします。ぜひ足をお運びください。

イギリス人漆芸家スザーン・ロスさん

イギリスの展覧会で見た尾形光琳の硯箱(すずりばこ)に魅せられ、漆を学びたいという夢を抱いて、22歳の時に来日したスザーン・ロスさん。職人の世界は男性の世界。最初は、女性が漆の技術を学ぶことも難しく、見て盗めという日本の伝統とイギリスとのギャップに悩みながらも、10年かけて、名匠や人間国宝の職人から学んできました。
そして、輪島に自分の工房とギャラリーを持ち、世界各地にも出かけて、日本の漆文化の美しさと価値について人々に教えたり講演したりしてきました。

漆に魅せられてイギリスから来日して40年。10年かけて複雑な輪島塗の行程をすべて一人でこなせる技術を身に付け、独自の世界を表現しています。一方で、縄文時代から続いている日本の伝統工芸が、いま日本から消えかかっていることに危機感を抱き、日本人のみならず海外にも漆の素晴らしさ、日本文化の価値を伝え続けています。
スザーンさんは、書籍『漆に魅せられて』(2015年刊、桜の花出版)の中で、漆は、なんと9千年以上も前の縄文時代から使われていたこと、漆は自然な素材で、強くて、いろんな形や質感が表現でき、強い殺菌力がある、万能の素材であることに驚嘆し、こう語っています。
「私は漆に、日本人の美意識や、自然を敬って自然と共に生きて来た日本人のこころを感じるのです」
そんな漆が、いま日本人の生活から消えようとしています。漆のお椀や器は、便利で安いプラチック製品に取って代わられ、漆職人も、その仕事を支える漆採りの職人やその道具を作る職人も、もうほとんどいません。消えてしまったら、もう取り戻せない。日本人がそのことに気づいていないことが、私は心配でなりません。
日本の文化は、『世界のお兄ちゃん』です。こんなに平和で、調和とバランスを大切にしてきた文化は他国にはありません。世界はいま調和を失い、暴力がはびこって、おかしくなってしまっています。人類が人間らしい心を取り戻すための鍵が、日本の伝統文化の中にあると思うから、それを日本人に取り戻してほしい。そして世界に教えてほしいのです。」


2024年1月の能登半島地震で家も、多くの作品も失った

スザーンさんが漆に携わって34年。輪島の古民家を自分たちの手で美しく改装し、大切に暮らしてきた家と、そこに隣接する工房は、元日のたった60秒に満たない間に残酷にも壊れてしまいました。
工房にいたスザーンさんは、「私は投げ飛ばされそうになったので、安全のために中央の柱につかまりましたが、私の足の間で地面が開き、柱を支えていた石のブロックがどんどん開いていく隙間に消えていきました。ガラス張りの正面ドアは前後に揺れ動き、今にも私の上に落ちてきそうでしたた。轟音と粉砕音がして、どうやって外に出たのか全く覚えていません」
震災の日の夜、「その夜は星がとてもきれいで、今まで見た中で一番明るかった。しかし、朝市通りでは火が絶え間なく燃え続け、輪島の空は真っ赤だった」と語っています。


スザーンさんの再起、輪島の復興、漆文化の復活を目指して

家を失い、作品を失い、いまは手に入らない道具や、さまざまな漆を失ってもなお、作品を作りたいというスザーンさんの思いはいまも消えることがありません。
スザーンさん自身が新たに漆芸作家として再び活躍できるために、そして輪島塗の復活の為に、急遽、長野と大阪で作品展を開くことになりました。スザーンさんは、「この作品展は、皆様のご協力のもと、私自身がゼロから再出発する試みです。」と語っています。
ぜひ多くの方にご来場いただければ幸いです。


作品展の日程

■2月15日(木)~18日(日)午前10時~午後4時
ギャラリー胡桃倶楽部 
長野県東御市田中181(御菓子処 花岡本店となり) 0268-62-0236
■3月6日(水)~17日(日) 午前11時~午後6時
 カフェと雑貨g-fortune
 大阪府大阪市東住吉区東田辺1-11-12 06-7710-6687


その他の情報

クラウドファンディングの準備も進んでいます。英語版はスタートしており、日本語版も近く公開される予定です。
■英語版クラウドファンディング
 https://www.gofundme.com/f/artist-rebuild-after-devasting-loss-in-earthquake

■スザーン・ロスさん著書
 『漆に魅せられて』(桜の花出版)帯を一新しました!
  ISBN:9784434210129 定価1,400円(税込1,540円) 
  https://www.sakuranohana.jp/books/9784434210129/


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