小売業者に迫る在庫可視化というプレッシャー

プレスリリース発表元企業:マンハッタン・アソシエイツ株式会社

配信日時: 2023-11-08 10:00:00

マンハッタン・アソシエイツの最新調査で小売業の30%が正確な在庫データを把握できていないことが判明

※本リリースは2023年10月10日に米国で発表された内容の日本語版です。

マンハッタン・アソシエイツは、このたび実施した国をまたがったオムニチャネルの動向に関する最新の調査結果を発表し、89%もの消費者の購買習慣に生活費の問題が影響を与えている状況において、小売業者が顧客の購買体験を向上させ、市場シェアを維持することを目的としたデジタル化をどのように進めているかを明らかにしました。



●変わりゆく店舗の姿
正しい方向に遷移していると見られるものとしては、顧客が店舗で購入したものをオンラインで返品できる体制が整っていると回答した小売業者が54%(2022年は 50%)で、さらに店舗の商品が在庫切れの際にオンラインで購入し店舗での返品が可能と回答したのは48%(2022年は46%)でした。一方で、事業全体にわたる在庫を可視化できている小売業者は70%に過ぎず(2022年の74%から減少)、30%は正確な在庫データを把握できていないことが分かりました。


昨今の消費者は、買い物の際に煩わしさを感じない、いわゆるフリクションレスな購買体験ができるだけでなく、自分の嗜好に合わせてパーソナライズされることも期待しているため、在庫データを可視化することが必要不可欠になります。
こうした状況について、マンハッタン・アソシエイツのEMEA担当シニアバイスプレジデントのアンリ・セローは次のように述べています。
「在庫の3分の1がどこにあるのか、あるいは在庫しているものが何なのかが具体的に把握できない場合は、大量の在庫が売れ残り、値下げされ、最悪の場合は廃棄される可能性さえあります。ですから、小売業者は消費者の行動の変化をほぼリアルタイムで捉えて、それに柔軟かつ迅速に対応できる仕組みを整備しておくことが重要になります。 正確なデータにアクセスすることで、店舗の従業員はその情報を現場で有効に活用することができ、あらゆるチャネルから購入を試みるすべての顧客に対して新たな価値を提供することが可能になります」


●フリクションレスな購買体験が顧客エンゲージメントをもたらす
現代の消費者が商品の購入を検討する際にあらゆるチャネルを活用することはもはや明白であり、84%がオンラインで購入する予定であると回答しています。(2022年は82%)
ところが、小売業者の16%(2022 年は17%)は依然として店頭業務とオンライン業務が別個の機能として運営されていると回答しています。ここ数年で多くの小売業者が消費者に対してシームレスな購買体験を提供し始めているものの、改善の余地はまだ大きいことが分かります。


消費者が製品の購入前および購入後に小売業者とどのように関わりたいかという点については、依然として「電子メール(47%)」が最も好まれるエンゲージメントのチャネルであり、それに次いで「店員との対面(43%)」が続きます。
興味深いことに、ソーシャルメディアを好む消費者は現在10人に4人(40%)しかいません。この傾向は若い消費者の間でより顕著で、25~34歳のグループでは55% にも達しています。


NBK Retailの小売アナリストで、著者、創設者でもある ナタリー・バーグ氏は次のように述べています。
「今回の調査では、消費者にシームレスなオムニチャネル体験を提供するという小売業者の取り組みが確実に進歩を遂げていることが明らかになりました。実店舗が単なる商品の取引場所にとどまらず新たな役割を持ち始めてきた現在、販売員も販売支援という役割を大きく超えて進化しなければいけません。最新のテクノロジーによって正確な在庫データと顧客データを武器として活用することができれば、経済の変動にも動じることなく、自己の能力を引き出し、インスピレーションを発揮して、長期にわたるブランドロイヤルティを生み出していくことが可能になるのです」


●自分の身銭と地球を守る
消費者は、環境に優しい商品にはプレミアム価格が付けられているという認識を持っていて(時にはそれが事実でもあります)、こうした商品を購入する優先順位を下げています。これは、低コストの代替品を選んでいることを意味しますが、買い物をする際に持続可能性を重要な要素と考えている消費者はわずか45%にとどまり、昨年の50%から減少さえしています。
ただ、若い世代はシニアの消費者に比べて、小売業者が環境/持続可能性に取り組んでいるかどうかを考慮する傾向が高く、18~24歳の55%が最優先事項または考慮すべき重要な事項であると回答しています。
さらに24~35歳の17%は、環境に配慮していなければその小売店を積極的に避けると回答しているのに対し、55歳以上ではそのブランドを買わないと回答したのはわずか10%に過ぎませんでした。


これについて、アンリ・セローは次のようにコメントしています。
「地球の将来について、消費者や小売業者は決して妥協しておらず、すべきものでもありませんが、現在の経済情勢下においては明らかに持続可能性よりも手頃な価格の方が優先されているのが現実です。今回の調査は、消費者の経済的負担を軽減する手段としてだけでなく、野放しの消費主義が地球に与える長期的な環境への影響に対処する手段としても、オムニチャネルコマースとサプライチェーン全体を統合することがいかに重要であるかを浮き彫りにしました」


●調査方法
6,000人の成人の消費者(18 歳以上)を対象に、実店舗と店員の役割、革新的なフルフィルメント手段、持続可能性、在庫の可視性、利便性、チャネル全体の一貫性、および商取引の変化に対する感情と行動について聞き取りをしました。

また、ティア1 小売業者(年間収益1億ドル以上)の管理職または上級役員1,150名を対象に、eコマースのサポート、顧客のフリクションレスな購買体験、フルフィルメント手段の充実を目的としたテクノロジーへの投資計画について調査を行いました。
回答いただいたのは、以下の分野で店舗およびオンラインショップを運営する小売業者の代表の方々です。
<美容、家庭用品および家具、家電、健康管理、DIYおよびリフォーム、ファッション、スポーツ用品、ペット用品>
また回答者は、以下の地域に拠点を置く企業から選定されました。
<オーストラリア、ベルギー、ブラジル、フランス、ドイツ、イタリア、メキシコ、オランダ、ニュージーランド、スペイン、英国、米国>


* このレポートの調査結果は、2023年3月から2023年5月にかけてオンライン調査で実施された一次消費者および小売業者の調査に基づいています。

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●マンハッタン・アソシエイツについて
マンハッタン・アソシエイツは、サプライチェーンとオムニチャネル分野のテクノロジーリーダー企業です。フロントエンドの販売プロセスとバックエンドのサプライチェーンの統合によって企業内外の情報を集約するとともに、先進のソフトウェア、プラットフォーム技術、および豊富な実績と経験が、お客様の成長と収益の確保を強力に支援します。
そして、最先端のクラウドならびにオンプレミス環境をベースに開発されたソリューションを、店舗、流通ネットワーク、物流センターに提供することで、オムニチャネル市場におけるビジネスを成功へと導きます。
詳細については www.manh.com/ja-jp をご参照ください。


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