スバンテ、炭素回収市場に向けた先進MOF吸着剤の商用供給契約をBASFと締結

プレスリリース発表元企業:Svante Technologies Inc.

配信日時: 2023-10-12 02:02:00

スバンテ、炭素回収市場に向けた先進MOF吸着剤の商用供給契約をBASFと締結

炭素回収と除去ソリューションの大手プロバイダーであるスバンテ・テクノロジーズ(スバンテ)は、炭素回収フィルター技術を目的として新たな金属有機構造体(MOF)ナノ素材である「CALF-20」の生産を拡大するために、世界最大の化学薬品メーカーであるBASFと商用供給契約を締結。
固体吸着剤の拡大可能性とコストの低さは、炭素の回収、除去、貯留(CCS)プロジェクトの採用を増やすために不可欠。低コストでのMOF素材の大規模生産はガス分離産業の障壁だった。


(ブリティッシュコロンビア州バンクーバー)- (ビジネスワイヤ) -- スバンテは、自社の炭素回収工程で使用される独自の吸着剤「カルガリー構造体20(CALF-20)」の生産拡大を図るために、BASFと対等な商用供給契約を締結したと発表しました。この金属有機構造体(MOF)吸着剤は、急速固体吸着と低圧蒸気を使用してセメントやブルー水素生産工場などの産業発生源から排出される二酸化炭素(CO2)の最大95%を回収できます。

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Svante's metal-organic framework (MOF), CALF-28, used for the company's novel carbon capture filter technology, is to be manufactured by BASF at commercial scale. (Photo: Business Wire)Svante's metal-organic framework (MOF), CALF-28, used for the company's novel carbon capture filter technology, is to be manufactured by BASF at commercial scale. (Photo: Business Wire)

スバンテは、「フィルター」として知られる構造化吸着体を使用して炭素回収と除去技術を開拓してきました。世界初の商用MOFナノ素材フィルター製造設備をブリティッシュコロンビア州バンクーバーに備え、炭素回収に固体吸着剤を活用する、業界で最も進歩した企業です。BASFとの供給契約では、数百万トンまで炭素回収フィルター製造を拡大して2030年までに大規模な炭素回収・貯留(CCS)施設を数百か所導入することで、スバンテの新たな成長段階を切り拓きます。

同社独自の環境に配慮したモジュール式の個体吸着剤技術は、工業排ガスからCO2を回収する設計で、その後排ガスを高純度95%というパイプライン・グレードのCO2に濃縮し、安全な貯留または次の工業利用のために放出します。その唯一無二のアプローチは、通常低圧かつ希釈濃度で大量排出される希釈排ガスに含まれる窒素からCO2を分離するという難題に対処すべく調整されています。同社の技術は水素、パルプ・紙、セメント、鉄鋼、アルミニウム、化学薬品など、さまざまな業界における工業活動の脱炭素化に重要な役割を果たします。

スバンテとBASFは過去2年間、CO2を吸着するスポンジのように機能する「CALF-20」の生産拡大に協力して取り組んできました。2021年12月に査読付きの国際学術誌『Science』で発表した研究結果では、CALF-20に酸化と水蒸気に対する独自の抵抗性があるため、スバンテが開発した構造化吸着フィルターを使用してCO2を低コストで回収できることを実証しました。

個体吸着剤は炭素回収を飛躍的に改善するものですが、望ましい機能をすべて、製造コストの低い強固な構造体素材に組み込むという課題があります。CALF-20とスバンテのフィルターを併用するとこの課題に対処でき、水分に対する選択性によって大量にCO2を回収できるようになります。

「高性能のCO2回収と除去を行うにあたり、直接的に接触する蒸気を使用して吸着剤からCO 2を洗い出すスチームストリッピングは、この分野で誰も成し遂げたことがない究極の目標でした。最も効果的な方法だと見なされています」と、スバンテの社長とCEOを務めるクロード・ルトルノーは述べています。「このMOF素材と当社独自の構造化吸着フィルターを組み合わせることは、炭素回収・除去業界に大変革をもたらします。当社はCO2回収の設備コストを削減するための適切な技術を有しており、この技術はモジュール式で適応性があります。今この技術を拡大・商業化して、大規模で採算性のある炭素管理産業を創出すべきです。」

スバンテはBASFの協力のもと、グリーンケミストリー原則に従って簡単な低温工程を利用することでMOF吸着剤CALF-20を研究室規模から工業規模への拡大に成功しました。炭素回収・貯留(CCS)をさまざまなケースに採用するには、個体吸着剤の拡大可能性とコストの低さが不可欠です。これまでガス分離分野では、コストを抑えてMOF素材を大量生産することは困難でした。

同社はCALF-20製造工程の拡大に加え、「吸着剤ロール塗布」と呼ばれる、吸着剤をラミネート・シートに塗布する大規模かつ低コストのロール・ツー・ロール工程を開発しました。ラミネートは高性能フィルターに重ねられ、工業点源回収と大気直接回収に利用できるようになりました。

スバンテについて

カナダのブリティッシュコロンビア州バンクーバーに本社を置くスバンテは、目的主導で運営される、炭素回収および除去ソリューションの代表的プロバイダーです。当社は、産業排出および大気中のCO2を、環境に配慮した方法で回収・除去するナノ加工フィルターや、モジュール式ロータリーコンタクター機器を製造しています。スバンテは「2023 Global Cleantech 100」、XPRIZE財団の「XB100 -- 世界のディープテック企業トップ100」に入っており、Corporate Knightsの「カナダで最も急成長している持続可能な企業50社」では未上場企業の中で2位にランクインしました。スバンテに関する詳細情報は、www.svanteinc.comをご覧ください。スバンテのLinkedInTwitter @svantesolutionsをフォローしてください。

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